白山を水源とする手取川が流れ、江戸時代まで白山信仰の中心的な地、加賀禅定道の馬場(ばんば)として栄えたのが白山市の白峰地区。冬季は4mもの雪が積もる豪雪地帯です。そんな白峰地区の河岸段丘上形成される集落10.7haが山村の養蚕集落としての性格を色濃く残し、白山市白峰伝統的建造物群保存地区に選定されています。
河岸段丘上に250戸の大壁造りの家屋が密集
2階建て、3階建ての建物が軒を並べていますが、上層階は養蚕に使われていました。
黄土色の大壁と縦長窓が特徴の大庄屋・山岸家は、江戸時代前期から代々十郎右衛門を襲名し、白山麓18ヶ村の取次を代々務めた旧家です。
江戸時代には牛首村と称し(明治11年に白峰村に)、牛首紬という織物も有名でした。
傾斜地で耕地が少く、耕作地が離れていることから、夏場は家族で畑近くで暮らすという「出作り」という農業形態が発達。
「冬ごもり」となる冬季は家に戻って養蚕で収益を上げたのです。
2頭またはそれ以上の熟蚕がつくる1個の繭「玉繭」を使って織り上げたのが牛首紬だったのです(玉繭から繰糸した生糸を玉糸と呼び、それで織り上げています)。
休憩スポットは「雪だるまカフェ」、「白峰温泉総湯」
山岸家と行勧寺、林西寺(白山本地堂)あたりがいちばんのみどころ。
土蔵が多いのは、養蚕の際に室温を一定に保つことができるから。
明治初年の廃仏毀釈、神仏分離で白山頂上(御前峰=元・白山神社奥宮)や加賀禅定道(登拝道)にあった6000体もの仏像が廃棄されましたが、その一部を当時の林西寺住職が救済、林西寺の白山本地堂に、安置したもの。
御前峰にあった白山信仰の本地仏である十一面観音坐像、大汝峰にあった阿弥陀如来坐像、別山の聖観音菩薩坐像など7体と越前禅定道・檜木宿にあった泰澄作と伝わる木造釈迦如来像の合計8体です。
休憩場所としては明治時代初期の木造家屋を再生した「雪だるまカフェ」があり、白峰名物のおろしうどんやぼたもちが味わえます。
一帯は白山手取川ジオパークの「桑島化石壁ゾーン」・山間豪雪地帯の集落ジオサイトになっています。
平成25年には各戸の表札に屋号を表示するなど、地域おこしの活動も始まっています。
散策後には「白峰温泉総湯」でひと風呂浴びることも可能です。
白山市白峰伝統的建造物群保存地区 | |
名称 | 白山市白峰伝統的建造物群保存地区/はくさんししらみねでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく |
所在地 | 石川県白山市白峰 |
関連HP | 白峰観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | 北陸鉄道石川線鶴来駅から加賀白山バス白峰温泉行きで1時間、終点下車、徒歩3分 |
ドライブで | 北陸自動車道小松ICから約45km |
駐車場 | ポケットパーク駐車場(5台/無料) |
問い合わせ | 白峰観光協会 TEL:076-259-2721 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
取材・画像協力/石川県観光連盟、白山市観光連盟
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