石川県小松市滝ケ原町、滝ヶ原石切り場(現役で稼働する本山丁場、滝谷口大滝丁場跡、西山丁場跡)のある滝ヶ原地区は、建築や墓石、寺社石造物に使われる滝ヶ原石の産地ですが、滝ヶ原石を使用し、明治時代後期から昭和初期に架橋された5つの石橋が現存し、滝ヶ原アーチ石橋群と呼ばれています。
滝ヶ原石切り場(西山石切場)近くには西山橋が
滝ヶ原地区内を流れる宇谷川(うだにがわ)とその支流、西口川に架るアーチ石橋5橋を総称して滝ヶ原アーチ石橋群と呼んでいます。
かつては滝ヶ原地区内に12の石橋がありましたが、現存するのは東口橋、我山橋(がやま橋)、大門橋、西山橋、丸竹橋、菩提橋の6橋。
西山橋、我山橋(がやま橋)、大門橋、東口橋は、明治36年の架橋、丸竹橋は昭和10年の架橋です(菩提橋は詳細不明)。
このうち、西山橋は切石を運搬するために架橋された橋で、現在も生活道路として利用されています。
滝ヶ原石切り場(西山石切場=天保年間〜昭和の中頃まで稼働)、滝ヶ原公民館近くの西山橋が見学にはおすすめです。
石造アーチ橋は、熊本、大分など九州では多数現存してしますが(日本の石造アーチ橋の95%は九州地方)、本州でこれほど集中して現存し、山間の自然河川に残されている例ははありません。
滝ヶ原アーチ石橋群は、日本遺産『「珠玉と歩む物語」小松〜時の流れの中で磨き上げた石の文化〜』の構成資産。
里山自然学校こまつ滝ヶ原「里山体験交流塾」では、塾長・山下豊さんら、ガイドが案内する「石切場見学60分コース」(ゆったりと石切場と石橋を巡るコース)、「石橋見学30分コース」(石切り場と石橋ガイド付き見学)を用意。
有料ですが、手軽な料金で「石の里」の貴重な文化を学ぶことができます。
小松市には、このほか大正初期から採石が始まり、現在も掘削が行なわれる浮石質凝灰岩の石切り場、観音下石切り場、小松城の石垣などに使われた鵜川石切り場跡、第二次大戦末期には中島飛行機(現・富士重工業)が洞窟を利用して部品を製造した遊泉寺石切り場跡があります。
滝ヶ原アーチ石橋群 | |
名称 | 滝ヶ原アーチ石橋群/きよがはらあーちいしばしぐん |
所在地 | 石川県小松市滝ケ原町 |
関連HP | 里山自然学校こまつ滝ヶ原「里山体験交流塾」石の里ガイドコース |
ドライブで | 北陸自動車道小松ICから約16km |
駐車場 | 里山自然学校 こまつ滝ヶ原駐車場 |
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