岩手県奥州市水沢黒石町にある日本最大級の茅葺き屋根の法堂(はっとう)で知られる寺が正法寺。南北朝時代の貞和4年(1348年)に開山の、東北地方最初の曹洞宗寺院です。文化8年(1811年)築の法堂、文化8年(1811年)頃築の庫裏(くり)、寛文5年(1655年)築の惣門は国の重要文化財に指定。
面積720坪の茅葺き屋根は日本最大級!
入母屋造り(いりもやづくり)、日本最大の茅葺きの法堂は、間口約30m、奥行約21mの建物に巨大な茅葺き屋根(かやぶきやね)をのせたもの。
寺格と近世仏堂の特徴をよく伝え、国の重要文化財に。
棟に付いた竹に雀、三引両、九曜の家紋は伊達家の家紋(「竹に雀」が定紋として知られていますが、三引両、九曜も使われています。九曜は藩祖・伊達政宗も使用)で、藩主・伊達家は正法寺にとって大檀越(おおだんのつ)だったことがわかります。
仏堂に祀られる本尊・如意輪観世音菩薩坐像は、秘仏(鎌倉時代後期の作で岩手県指定文化財)。
毎年10月16日、『熊野大権現大祭祈禱会』に御開帳されています。
通常は、前立ち本尊の如意輪観世音菩薩を拝むことに。
庫裏も巨大で、間口約33m、奥行約17mという巨大な茅葺き建築で、法堂が日本一ならこちらは2位ということに。
寛政11年(1799年)の正法寺の火災から焼け残った惣門は、珍しい橡葺き(とちぶき)の四脚門で、足段はパワーストーンとしても注目の蛇紋岩(じゃもんがん)です。
往時には、永平寺、總持寺と並んで曹洞宗「第三の本山」となり、508ヶ寺とも1200ヶ寺とも記された多くの末寺を擁し、全国各地から多くの修行僧が集まっていました。
藩政時代に、徳川幕府の方針で「第三の本山」ではなくなりましたが、伊達藩から別格の待遇を受け、現在も73ヶ寺の末寺を有し、多くの修行僧を集めています。
単なる観光寺院ではなく、文字通り「光を観る」(仏の光を感じる)寺として拝観を。
修行の地なので、マナーを守って見学を。
毎月第2・第4土曜13:30〜行なわれる『土曜参禪会』(坐禅会)には、自由に参加することができます(山内行持などで行なわれない場合もあるので、開催日程に関しては、事前に確認を)。
令和3年春放送のCM、JR東日本『大人の休日倶楽部』岩手県「正法寺篇」で吉永小百合の座禅シーンが放送され、大きな注目を浴びました。
正法寺 | |
名称 | 正法寺/しょうほうじ |
所在地 | 岩手県奥州市水沢黒石町正法寺129 |
関連HP | 正法寺公式ホームページ |
電車・バスで | JR水沢駅 からバスで25分、正法寺線正法寺下車、徒歩1分 |
ドライブで | 東北自動車奥州スマートICから約14km |
駐車場 | 50台/無料 |
問い合わせ | 正法寺 TEL:0197-26-4041/FAX:0197-26-4107 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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