吉永小百合が旅するテレビCMで注目のJR東日本「大人の休日倶楽部」。令和3年4月〜9月に行なわれる(東北デスティネーションキャンペーン)に合わせて放送される秋田県「九十九島篇」で登場の九十九島(くじゅうくしま)は、にかほ市象潟にある大地のドラマチックな変遷を感じる景勝地です。
「摩訶不思議な景色」は江戸時代に完成
https://youtu.be/0555KgGklG8鳥海山の山頂付近をじっくりと眺めると、北にぽっかりと開けた馬蹄形の凹みがあることに気が付きます。
これが、火山の噴火による、山体の空洞化が原因の陥没地形で、東鳥海馬蹄形カルデラと呼ばれています。
このカルデラの大崩落が起こったのが、紀元前466年。
山頂から滑り落ちた「象潟岩屑なだれ」は、海岸線に「流れ山」と呼ばれる小山を形成し、東西1km、南北2kmにわたり海の中に浮かぶ入江が誕生したのです。
たくさんの小島が浮かぶ様子から九十九島と呼ばれる景勝地となり、俳人・松尾芭蕉も『奥の細道』途中で訪れ、しかも『奥の細道』に記した最北の地になっています。
その景色を目の当たりにした芭蕉は「松島は笑うがごとく、象潟は撼(うら)むがごとし」と
記していますが、実は、芭蕉の見た景観は、現在とまったく違って、松島同様の多島美を誇る海景だったのです。
文化1年(1804年)の出羽大地震によって2mも隆起し、象潟の海岸線は陸地化したのです。
海だった場所は田んぼに、島が小山になっていきました。
開発や農地改良で失わる危機もありましたが、地元の保存活動のおかげもあり、水田地帯に102もの島々が小山として残る摩訶不思議な景観を保っています。
国指定天然記念物「象潟」(九十九島)の絶景は、「道の駅象潟ねむの丘」の展望室から一望できます。
CMにチラリと出てくる美しい滝は、鳥海山の伏流水が湧き出す元滝伏流水です。
「平成の名水百選」に選定される湧水の滝で、鳥海山に染み込んだ水は80年の歳月をかけて湧き出していると推測されています。
「国の天然記念物にも指定された摩訶不思議な景色は、いわば自然のダイナミズムと人々の営みによってできた合作アート。島々を巡るルートをゆっくりと歩きながら、あなたも悠久の時に想いを馳せてみませんか。」(JR東日本「大人の休日倶楽部」)。
まさに「自然のダイナミズムと人々の営みによってできた合作アート」で、「摩訶不思議な景色」という言葉がピッタリです。
お出かけの際には以下の記事を参照
大人の休日倶楽部・秋田県「九十九島篇」で紹介の九十九島はここ! | |
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