甲山寺(四国八十八ヶ所霊場第74番札所)

甲山寺(四国八十八ヶ所霊場第74番札所)

香川県善通寺市弘田町、甲山の麓、弘田川左岸にある真言宗善通寺派の古刹が甲山寺(こうやまじ)。山号は医王山、四国八十八ヶ所霊場第74番札所。本尊は、空海が満濃池建設の際、工事の無事を祈願して自刻したという檜の一木造りの薬師如来像です。

満濃池修築完成を願い空海が薬師如来像を自刻

甲山寺の縁起は、空海が曼荼羅寺と善通寺の間に霊地を探して求めていたところ、岩窟から現れた翁に「ここに寺を建てよ」と告げられ、毘沙門天像を刻んで岩窟へ安置したことに始まると伝えられています。

さらに弘仁12年(821年)、土木に優れた空海は嵯峨天皇から満濃池(まんのういけ=日本最大の灌漑用溜池)の修築を命じられ、築池別当(つきいけべっとう)として帰郷。
この時、工事の無事を祈願して本尊の薬師如来を刻んで修法しています。
数万人の人々が集まり、力を合わせて3ヶ月で満濃池の修築を完成させたのです。
朝廷が派遣した築池使さえも達成しなかっら難工事を成功させた褒賞金で堂宇を建立、そこに薬師如来を安置したのが始まりとなっています。
甲山寺の名は、山容が毘沙門天(唐の武将風の姿)の甲冑(かっちゅう)の形に似ていることに由来します。

現在でも大師堂の隣には間口2.5m、奥行12mの岩窟があり、空海自刻と伝わる毘沙門天が祀られています。
大師堂へ続く石段の隣に祀られた子安地蔵は、子宝祈願の地蔵尊で、子宝を願って地蔵の前掛けを持ち帰り、叶うと新しい前掛けを持ってくるのが習わし。

毎年正月三が日には『毘沙門天の秘法修め』があり、開運守が授与されます。
9月23日には『秋彼岸中日・彼岸会永代供養法要』が執り行なわれています。

甲山寺(四国八十八ヶ所霊場第74番札所)

四国八十八ヶ所霊場(四国遍路) 霊場間の距離・時間

73番札所・出釈迦寺(しゅっしゃかじ/香川県善通寺市吉原町1091)・・・(車2km・5分/徒歩2.5km・35分) ・・・74番札所・甲山寺こうやまじ/香川県善通寺市弘田町1765-1)・・・ (車2km・5分/徒歩1.5km・20分)・・・ 75番札所・善通寺(ぜんつうじ/香川県善通寺市善通寺町3-3-1)

甲山寺(四国八十八ヶ所霊場第74番札所)
名称 甲山寺(四国八十八ヶ所霊場第74番札所)/こうやまじ
所在地 香川県善通寺市弘田町1765-1
関連HP 四国八十八ヶ所霊場会公式ホームページ
電車・バスで JR善通寺駅からタクシーで10分
ドライブで 高松自動車道善通寺ICから約5km
駐車場 50台/無料
問い合わせ 甲山寺 TEL:0877-63-0074/FAX:0877-62-6736
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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総本山善通寺(四国八十八ヶ所霊場第75番札所)

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満濃池

満濃池

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