2024年9月29日(日)、千葉県鴨川市で『吉保八幡神社例大祭・流鏑馬神事』が斎行。吉保八幡神社(きっぽはちまんじんじゃ)の例大祭。勇壮な流鏑馬(やぶさめ)が奉納されます。馬上から15m離れた3つの的をめがけて矢を放ち、稲作の豊凶を占います。文永年間(1264年~1275年)から続く歴史ある神事。
千葉県内では唯一という本格的な流鏑馬
吉保八幡神社は社伝によれば、天長6年(829年)に吉保郷の鎮守として宇佐八幡を勧請して創建したと伝わる古社。
流鏑馬神事は、120間(210m)の馬場を疾駆し、馬上から15m離れた3つの的をめがけて矢を放ち、それを3回繰り返して(合計9射)、稲作の豊凶を占うもの。
3つの的はそれぞれ、早稲(わせ)、中稲(なかて)、晩稲(おくて)を意味し矢の当たり具合で、「来年は早稲と晩稲が豊作」など来年の敵種や豊凶を占います。
的までの距離が遠いのは、武芸としてよりも、五穀豊穣を祈願し農作物の収穫の豊凶を占うことを第一の目的としているから(放った矢の当たり外れによって、天からのお告げ(ご託宣)がもたらされると考えられていたことから)。
つまりは、的から外れることにも重要な意味があるということに。
流鏑馬は、安房国の国主・里見家が領民に武芸を広めようとして行われたものが始まりだと伝わり、鎌倉時代の文永年間(1264年~1275年)から続く歴史ある神事。
現在でも厳格な規律が守られ、射手は7日前から禰宜殿に泊まり込み潔斎に励みます。
流鏑馬当日まで毎朝4時に起床し、井戸水で水垢離(みずごり)、別火の生活を送るのです。
こうした古式に則る流鏑馬神事は、千葉県の無形民俗文化財に指定。
ちなみに
「江戸時代に置かれた嶺岡の牧(峯岡牧)、牧を管理する牧士制度などの伝統がこの行事の土壌にあります」(カモ旅)とのこと。
嶺岡の牧は、元々、戦国時代に里見氏がすでに軍馬の飼育管理を行なっていたとされ、そんな歴史が連綿と伝わる流鏑馬神事の背景にはあるのです。
的は虫除けの御利益があるとされているため、破片を持ち帰る人も多くいます。
当日の日程(例年)|およその目安です
13:15~ 獅子舞(禰宜宅)
13:55~ 行列(禰宜宅~神社)
14:30~ 祭典(神社)/祝詞奏上・神酒二献の儀
15:30~ 流鏑馬(馬場)/馬場ならし一走→的の準備→素馳一走→的に矢を投げる一走→騎射三走
終了後 神酒二献の儀(神社)・行列(神社~禰宜宅)
吉保八幡神社例大祭『流鏑馬神事』|鴨川市|2024 | |
開催日 | 2024年9月29日(日)、毎年9月最終日曜 |
所在地 | 千葉県鴨川市仲253 |
場所 | 吉保八幡神社 |
関連HP | 鴨川市公式ホームページ |
電車・バスで | JR外房線鴨川駅から鴨川日東バスで吉保下車 |
ドライブで | 館山道君津ICから約28km |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 鴨川市観光協会 TEL:04-7093-3800 |
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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