鹿児島県霧島市牧園町、犬飼滝の近くに鎮座する古社が和気清麻呂(わけのきよまろ)を祭神とする和気神社(わけじんじゃ/和氣神社)。神社としての創建は昭和21年ですが、和気清麻呂の旧跡としては以前から知られており、「日本初の新婚旅行」で霧島を訪れた坂本龍馬も興味を示しています。
和気清麻呂の大隅国配流の地
神護景雲3年(769年)、宇佐八幡宮神託事件(道鏡の天皇就任の画策を排除した事件)に関連して、宇佐神宮(豊前国)に赴き、真相を掴んだ和気清麻呂ですが、その報告で、時の権力者・道鏡に近い称徳天皇から分部穢麻呂(わけべのきたなまろ)と改名され、さらに大隅国(現在の鹿児島県)に流されたのです。
幕末の嘉永6年(1853年)、薩摩藩第11代藩主・島津斉彬(しまづなりあきら)は松を植え、遺跡調査によってこの地が配流の地であることが判明。
境内には、和気清麻呂が宇佐神宮に参拝する際、命を狙う道鏡の使者から清麻呂を守ったという伝説(『日本後紀』)の白いイノシシや、龍馬・お龍の新婚旅行を記念するレリーフが立っています。
参道前の滝見台からは犬飼滝を眺望。
和気神社に隣接する和気公園には見事な藤棚があり、見頃の4月中旬~5月初旬には『和気公園藤まつり』が行なわれています。
和気清麻呂の功績を讃えて神階正一位と護王大明神の神号が贈られたのは、幕末の嘉永4年(1851年)、孝明天皇によるもので、島津斉彬が配流の地を確認するのはその2年後。
坂本龍馬が霧島を訪れるのは、慶応2年(1866年)なので、島津斉彬の植樹なども知っていたのだと推測でき、「霧島山の方へ行道にて日当山の温泉に止マリ、又しおひたしと云温泉に行。此所ハもお大隅の国ニて和気清麻呂がいおりおむすびし所、蔭見の滝(注/犬飼滝のこと)其滝の布ハ五十間も落て、中程にハ少しもさわりなし。実げに此世の外かとおもわれ候ほどのめづらしき所ナリ。此所に十日斗も止りあそび谷川の流にてうおゝつり、 ピストヲル 短筒をもちて鳥をうちなど、まことにおもしろかりし」(姉・乙女へ書き送った書簡/慶応2年12月4日 )と記しています。
ちなみに生誕の地である岡山県和気郡和気町にも和気神社があるほか、京都の護王神社などにも和気清麻呂が祀られています。
和気神社 | |
名称 | 和気神社/わけじんじゃ |
所在地 | 鹿児島県霧島市牧園町宿窪田3986 |
関連HP | 霧島市観光協会公式ホームページ |
電車・バスで | JR嘉例川駅からタクシーで15分 |
ドライブで | 鹿児島空港から約15km |
駐車場 | 40台/無料 |
問い合わせ | 霧島市観光協会 TEL:0995-78-2115/FAX:0995-78-3487 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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