神奈川県横浜市の山手地区、JR根岸線石川町駅から徒歩5分の高台にあり、かつてのイタリア領事館の敷地跡に造られている洋風の庭園が山手イタリア山庭園。幾何学的な花壇が配されたイタリア式庭園には、四季折々の花が咲き誇ります。園内に横浜山手西洋館(入館無料)の「ブラフ18番館」、「外交官の家」があります。
明治時代初期にイタリア領事館があった地
園内には、大正末期に建てられ、家具や調度品などを展示する「ブラフ18番館」、明治政府の領事や大使を務めた内田氏の住宅「外交官の家」(国の重要文化財)という2軒の歴史的建造物が移築され、ともに無料で見学が可能。
明治時代、日本とイタリアの貿易はおもに生糸を通じて親密で、イタリア山に領事館が置かれていたのも開港からの歴史が浅い明治13年~19年のこと(明治初期にイタリア領事館は、フランス領事館、ドイツ領事館と並んで馬車道にありました/当時はイタリア王国です)。
イタリアはヨーロッパのシルク生産の7割をを占める生糸の生産国でしたが、1840年代にフランスで発生した蚕の伝染病 ・微粒子病(びりゅうしびょう/ pébrine=カイコガの幼虫がかかる伝染病)でヨーロッパの養蚕は壊滅状態に。
幕末から明治初期には多くのイタリア蚕種商人が日本に買い付けに来ていたのです。
つまり、明治日本を支えた日本の生糸貿易の繁栄は、ヨーロッパの微粒子病で繁栄したという皮肉な歴史があったのです。
中華街の一角に「旧横浜居留地91番地塀」という古いレンガ造りの塀の一部が残されていますが、その一帯は、生糸を扱うイタリア人やインド人の商館が軒をつらね、 「シルクロード」、「シルク通り」とも呼ばれていました。
「シルクロード」の横浜居留地九十一番地(現・山下町91)にあったミラノの出身のデローロ(G.O.Dell’Oro)創業のデローロ商会は、撚り直して用いるための屑糸(くずいと)の輸出でも知られていました。
山手イタリア山庭園 | |
名称 | 山手イタリア山庭園/やまのていたりあやまていえん |
所在地 | 神奈川県横浜市中区山手町16 |
関連HP | 山手イタリア山庭園公式ホームページ |
電車・バスで | JR石川町駅から徒歩5分。横浜高速鉄道みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩7分 |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 外交官の家 TEL:045-662-8819 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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