港の見える丘公園イギリス山地区・香りの庭(沈床花壇)

港の見える丘公園イギリス山・香りの庭(沈降花壇)

神奈川県横浜市、山手地区の高台、横浜港に臨む港の見える丘公園のイギリス山にあるのが香りの庭(沈床花壇)。昭和36年の開園当初から珍しい沈床花壇が整備されて話題を呼びました。「横浜みどりアップ計画」を受けて平成28年3月にリニューアルされ、バラを主体とした香りの庭に生まれ変わっています。

4種に分けてバラの香りが楽しめる

中央に配された噴水(開園当初は南西側にありました)を中心に、ばらを古典的な代表する香りの「ダマスク」、ピーチ、アプリコット、アップル様などの果実の香りが漂う「フルーツ」、グリーン・バイオレットの香りを基調とする上品な「ティー」、ハーブのアニスに似た香りの「ミルラ」の4つのテーマが設定され、そのテーマに合った香りのバラが植栽されています(バラの香りは、ダマスク・クラシック、ダマスク・モダン、フルーティ、ティー、ミルラ、ブルー、スパイシーの7種に分類されています)。

それぞれのエリアにはアーチが設けられ、アーチをくぐることでバラの芳香が漂う仕組み。
しかも外周部には香水の原料となるカザンラク、ローズ・ドゥ・メが植えられており、散策することで芳しい香りをかぐことができます。
100種・500株のバラ以外にも100種以上の芳香ある植物が植栽されている素敵な空間となっています。

港の見える丘公園イギリス山・香りの庭(沈降花壇)

イギリス山はイギリス軍駐屯に由来

イギリス山
開港直後に駐屯したイギリス陸軍

港の見える丘公園のイギリス山地区は、安政6年(1858年)の横浜開港直後、生麦事件をはじめとする外国人殺傷事件を背景に、自国民保護のためにイギリス軍が駐屯したことに由来する地名です。

イギリス軍は、現在の港の見える丘公園の高台(下部はフランス軍が駐屯)から横浜山手聖公会のあたりに至る広大な土地を所有していました。
下関戦争、薩英戦争などもあり、最大1200名が駐屯。
明治8年3月2日、イギリス軍は自国民保護の役割を終えて帰国しています。
駐屯したのはイギリス陸軍第20連隊第2大隊で、Twenty(トゥエンティ)という英語から「トワンテ山」と称されていました(このイギリス軍相手に脇沢金次郎が谷戸坂で洗濯業を開業、谷戸坂の登り口に「クリーニング発祥の地」が立っています)。

慶応3年にはイギリス公使ハリー・パークス(Sir Harry Smith Parkes)の依頼を受けてイギリス系(バーミンガム出身)アメリカ人建築家リチャード・ブリジェンス(Richard Perkins Bridgens)が設計、高島嘉右衛門(たかしまかえもん)施工でイギリス公使館が建設されています。

バラが植栽されるのは平成元年9月に横浜市制100周年、開港130周年を記念し、市民投票で一番人気のあったバラが「市の花」として制定されたから。
バラはイギリスの国花にもなっています。

港の見える丘公園イギリス山地区・香りの庭(沈床花壇)
名称 港の見える丘公園イギリス山地区・香りの庭(沈床花壇)/みなとのみえるおかこうえんいぎりすやまちく・かおりのにわ(ちんしょうかだん)
所在地 神奈川県横浜市中区山手町14
電車・バスで 横浜高速鉄道みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩3分、またはJR石川町駅から徒歩20分
ドライブで 首都高速横羽線横浜公園ICから約1.8km
駐車場 元町第一駐車場(90台/有料)など周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ 横浜市都心部公園 TEL:045-671-3648
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
港の見える丘公園

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