エリスマン邸

エリスマン邸

神奈川県横浜市の山手地区にある横浜市(横浜市緑の協会)が管理する横浜山手洋館(入館無料)のひとつで元町公園の山手本通り沿いに建っています。木造2階建ての洋館は、近代建築の父ともいわれるアントニン・レーモンドの設計。もともとは旧山手127番地1の根岸の高台にありましたが元町公園に移築されています。

貿易商のフリッツ・エリスマンの邸宅を移築

大正15年に建てられたスイス人貿易商のフリッツ・エリスマン(Fritz Ehrismann/1867~1940年)の私邸だった建物で(アントニン・レーモンドの設計、施工は清水組)、昭和57年にマンション(クレスト山手)建築のため現在の場所(旧山手居留地81番地/元町公園内)に移築復元されたもの。

エリスマンは、生糸貿易商社シイベルヘグナー・エンド・カンパニーの横浜支配人で、スイス出身。

1階各室には、アントニン・レーモンド(Antonin Raymond/フランク・ロイド・ライトの弟子で、設計した建物では旧イタリア大使館日光別邸などが現存)の設計した家具が復元展示され、2階は資料館となっています。
1階には暖炉のある応接室、居間兼食堂、庭を眺めるサンルームなどがあり、アントニン・レーモンドの設計5原則「自然、単純、直裁、正直、経済的」が反映しています。
当時の外国人住宅は浴室にトイレと洗面台がまとまっていましたが、エリスマンの妻が日本人であったことから、浴室とトイレはそれぞれ独立した造りになっています。

1階の台所部分は緑に包まれた喫茶室も併設しているので、コーヒーとケーキでゆっくりと大正ロマンを感じることができます。
元町公園内にはベーリック・ホール(旧ベーリック邸)と山手234番館も「横浜山手洋館」(入館無料)として公開されているのであわせて見学を。

ちなみにエリスマンの勤めたシイベルヘグナー・エンド・カンパニー(SiberHegner&Co.)は、慶応元年(1865年)、横浜に誕生したシイベル・ブレンワルド商会(Siber&Brennwald=横浜で創業した最古の会社)が前身。
外国人居留地90番地 (現・横浜市中区山下町90)にあった「横浜甲90番館」と呼ばれた商館を起点に横浜や銀座に日本初のガス灯を設置するなど明治時代には日本の生糸取引の中心的存在でした。
スイスのグローバル企業DKSH(ディーケーエスエイチ、ドイツ語: DKSH Holding AG)の原点となった商社です。

エリスマン邸
名称 エリスマン邸/えりすまんてい
所在地 神奈川県横浜市中区元町1-77-4
関連HP エリスマン邸公式ホームページ
電車・バスで みなとみらい線元町・中華街駅から徒歩5分、JR石川町駅から徒歩18分
ドライブで 首都高速横浜公園ICから約2km
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
問い合わせ エリスマン邸 TEL:045-211-1101
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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