長命寺

長命寺

琵琶湖のほとり、近江八幡にある古刹、姨綺耶山長命寺(いきやさんちょうめいじ)は、西国三十三所第31番札所。長命寺山(標高383m)の山上(標高250m内外)にあり、山麓から808段の石段を上った先に、本堂、釈迦堂、薬師堂など堂宇が建っています。山麓には琵琶湖遊覧の長命寺港も控え、長寿祈願の参詣者で賑わっています。

重要文化財の本堂、三重塔など美しい伽藍が並ぶ

長命寺
808段の石段が本堂へと続く
長命寺
本堂と三重塔

寺伝では寺の創建は古代まで遡り、景行天皇(けいこうてんのう)の御代(3世紀後半〜4世紀初め)、300歳という長寿だったという武内宿禰(たけのうちのすくね)が、柳の木に「寿命長遠諸元成就」と彫り長寿を祈願した故事をもち、推古天皇27年(619年)、聖徳太子が開基したと伝わります。

長命寺という寺の名は、武内宿禰の長寿に由来し(聖徳太子が武内宿禰の長寿にあやかって命名と伝えられます)、ご利益ももちろん「寿命長遠」。
千手観音、十一面観音、聖観音(しょうかんのん)の3体が本尊(「千手十一面聖観世音菩薩三尊一体」)で、いずれも重要文化財ですが秘仏となっています。
本堂、三重塔、鐘楼、護摩堂は、国の重要文化財に指定されています。

永正13年(1516年)8月、佐々木氏と伊庭氏の戦いに巻き込まれ、その兵火により伽藍は全焼。
本堂は、室町時代の大永4年(1524年)の建立。
三重塔は、慶長2年(1597年)の建立で宝積寺(京都府大山崎町)、油山寺(静岡県袋井市)と並んで「桃山時代の三名塔」に数えられています。
護摩堂は慶長11年(1606年)、鐘楼は慶長13年(1608年)など、戦国時代末期から江戸時代に建立された伽藍が残されています。
鐘楼の西にある太郎坊権現社が長命寺の総鎮守。
太郎坊は、長命寺を守った大天狗の名前です(超人的力をもった僧が、寺を守護するため大天狗に変じたもの)。

初夏にはあじさいが美しく咲きます

長命寺
長命寺

境内を埋め尽くすように咲くあじさいから、「あじさい寺」とも呼ばれ、例年6月下旬ころからあじさいの見頃を迎えます。

山麓の長命寺港は、かつての琵琶湖舟運の港。
昔の巡礼者は琵琶湖を船で渡り、西国三十三所第30番の竹生島宝厳寺から船で長命寺港に至り、「八百八段」と呼ばれる長い石段を上りました。

往時には参道に19の子院が並んでいましたが、明治の神仏分離、廃仏毀釈の荒波で多くが廃寺となり、今では石段途中に妙覚院、真静院、禅林院、金乗院が残るのみとなっています。

今では本堂近くまで車道が通じていますが、昔ながらに船での入山もおすすめです(ただし長命寺港へは「びわ湖三島めぐり」など季節臨時便しか入港しません)。
また長命寺川の河口には水郷めぐりの発着場所もあり、近江八幡・琵琶湖観光の拠点ともなっています。

西国三十三所霊場間の距離・時間

30番・竹生島宝厳寺(滋賀県東浅井郡びわ町早崎竹生島1664) — (竹生島から遊覧船30分の長浜港から37km/1時間) — 31番・姨綺耶山長命寺(滋賀県近江八幡市長命寺町157) — (16km/50分) — 32番・繖山観音正寺(滋賀県近江八幡市安土町石寺2)
※距離と時間はルートや交通状況により変動するため、およその目安です

長命寺
名称 長命寺/ちょうめいじ
所在地 滋賀県近江八幡市長命寺町157
電車・バスで JR近江八幡駅から近江バス長命寺行きで25分、長命寺下車、徒歩20分
ドライブで 名神高速道路竜王ICから約15km
駐車場 50台/無料
問い合わせ 長命寺 TEL:0748-33-0031/FAX:0748-33-8031
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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