神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷、小涌谷温泉(こわくだにおんせん)にある三河屋旅館の創業者・榎本恭三(えのもときょうぞう)の庭園が蓬莱園。榎本恭三が大正初期に40種に及ぶツツジ、サツキを約3万本植栽した蓬莱園を開園させたもの。ツツジ、サツキは4月下旬〜5月下旬が開花期で例年5月中旬が見頃となります。
40種に及ぶツツジやサツキが植栽される庭園
明治16年におきた宮ノ下の大火では、宮ノ下の老舗「藤屋旅館」を買収し、日本人初の外国人向けの本格的なホテルとして創業した富士屋ホテル(明治11年創業)も竣工後5年で焼失。
当時の温泉村は、復興資金を作るために村有地だった小涌谷を横浜の榎本恭三氏に売却。
榎本猪三郎・恭三は当時、利用されていない小地獄(大涌谷は大地獄と呼ばれていました)と呼ばれる噴気に目をつけ(多数の泥湯=坊主地獄がありました)、ここに渓流から竹の管で水を引いて温泉の造成に成功、明治19年、榎本親子が三河屋旅館を開業し、小涌谷温泉(大地獄の大涌谷に対して、小地獄の小涌谷)が誕生したのです。
今でも明治の湯と呼ばれる源泉は、現在、箱根小涌園(藤田観光リゾート)が経営する三河屋旅館に引湯されています(箱根小涌園の温泉はニノ平から引湯)。
旅館の周辺に桜、松、梅を植林したのです。
ちなみに小地獄、大地獄が、小涌谷、大涌谷になったのは、明治6年、明治天皇・皇后の行幸に際して地獄とい う名称は縁起が悪いということ改称されたため(行政的には仙石原村字大地獄から仙石原村大涌谷、底倉村字小地獄から底倉村字小涌谷に変更)。
温泉村から購入した1haの土地を蓬莱園にし、千条の滝(ちすじのたき)への道を付け、多くの文人墨客を呼び寄せました。
蓬莱園は現在、箱根小涌園(藤田観光リゾート)が管理し、一般に開放されています。
蓬莱園 | |
名称 | 蓬莱園/ほうらいえん |
所在地 | 神奈川県足柄下郡箱根町小涌谷503 |
電車・バスで | 箱根登山鉄道箱根湯本駅から箱根登山バス、伊豆箱根バス箱根町・元箱根方面行きで19分、小涌谷温泉下車、徒歩1分 |
ドライブで | 小田原厚木道路箱根口ICから約11.7km |
駐車場 | なし |
問い合わせ | 箱根小涌園 TEL:0460-82-4111 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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