神奈川県足柄下郡箱根町仙石原、今なお火山活動が盛んな大涌谷にあるのが箱根ロープウェイ・大涌谷駅。芦ノ湖畔の桃源台駅(箱根海賊船に接続)と、箱根登山ケーブルカーに接続する早雲山駅を結ぶ箱根ロープウェイの最高所(標高1044m)で、箱根ゴールデンルートのハイライトのひとつ。
ゴンドラの乗り換え駅にもなっている
かつては大涌谷が大地獄、小涌谷が小地獄と呼ばれていましたが、明治6年8月5日の明治天皇の宮ノ下にあった行在所に避暑に行幸の際(明治天皇自身は避寒避暑や保養のための御用邸、離宮の利用を控え、記録に残される唯一の避暑)、大地獄、小地獄では縁起が悪いということで、大涌谷、小涌谷に改名されたのです。
早雲山駅〜大涌谷駅間では、大涌沢の噴気地帯を眼下にできますが、実は仙石原などの温泉は、ここで造成される温泉です(箱根温泉供給株式会社が噴気の中を水を通して温泉を造成=蒸気造成温泉、蒸気井温泉)。
箱根ロープウェイは、現在、大涌谷駅で乗り換えるシステムで、下車しない際にも乗り換えとなります(早雲山方面と桃源台方面では乗り場が異なります)。
駅舎内には、大涌谷噴煙地を一望するレストラン(大涌谷駅食堂)、コーヒーや軽食の用意される売店(大涌谷駅の店)、ペットケージ、救護室などがあるほか、車椅子も無料で貸し出し。
駅舎のすぐ前にはひとつ食べると7年寿命が延びるといわれている名物の黒たまごを販売する「大涌谷くろたまご館」、駐車場(有料)があります。
箱根ロープウェイのゴンドラから自然観察を!
大涌谷の上にそびえる神山は、箱根火山後期中央火口丘。
箱根の最高峰をなす成層火山ですが、3000年前の活発な火山活動で北側が大きく崩壊し、馬蹄形カルデラが誕生。
この噴火を生んだ爆裂火口跡が大涌谷(大地獄)です。
崩壊物は岩屑なだれとなって早川をせき止めて、現在の芦ノ湖を形成しています。
姥子などには流山と呼ばれる岩屑なだれの岩塊が突出した場所があります。
芦ノ湖・桃源台側の斜面がなだらかなのは、こうした岩屑なだれのため。
ロープウェイのゴンドラから、大涌谷駅に近いほうが、木々がなく(火山ガスの影響を受けています)、姥子駅、そして桃源台駅に近づくにつれ、森になっていくという変化にも注目を。
逆に早雲山側の大涌沢では、今も活発な火山活動を示し、地熱で植生がなく荒涼としています。
ロープウェイのゴンドラから、山肌に温泉ボーリング施設(温泉を造成しています)や砂防施設が眼下にできるので、お見逃しなく。
仙石原などに給湯されるのは、ここで造られる大涌谷温泉蒸気造成混合泉です。
箱根ロープウエイのゴンドラは、実は箱根ジオパークの箱根中央火口丘エリア(大涌谷、早雲山と大涌沢、神山と流れ山)の自然を観察する一等地でもあるのです。
箱根ロープウェイ・大涌谷駅 | |
名称 | 箱根ロープウェイ・大涌谷駅/はこねろーぷうぇい・おおわくだにえき |
所在地 | 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原1251 |
関連HP | 箱根ロープウェイ公式ホームページ |
ドライブで | 小田原厚木道路箱根口ICから約17.7km |
駐車場 | 大涌谷駐車場(146台/有料) |
問い合わせ | 箱根ロープウェイ・大涌谷駅 TEL:0460-84-8437 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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