仙石原すすき草原

仙石原すすき草原

神奈川県箱根町、台ヶ岳(1044.4m)の北西に広がる仙石原高原にはススキの群落が続き、秋になるとあたり一面が黄金色のススキの原となります。もっとも群落が美しいのは、仙石原の中心街から湖尻に抜ける神奈川県道75号(湯河原箱根仙石原線)沿い、仙石原大原の仙石原すすき草原と呼ばれる一帯で、記念撮影にも絶好のポイント。

かつての茅場を春の山焼きで維持

「かながわの景勝50選」、「かながわの花の名所100選」にも選定される面積18haの仙石原すすき草原。
毎年3月中旬〜3月下旬、2日前から晴天が続き、当日の風が弱い日に、幅10メートルの緩衝地帯を設けて山焼きが行なわれていますが、この山焼きが行なわれないと、雑木が茂り、やがては森に移行していくことに。
もともとは箱根カルデラのカルデラ湖だった場所で(台ヶ岳は溶岩ドーム)、干上がった後に湿原が乾燥化、森へと移行する過程にあるのです。

なぜ、毎年野焼きが行なわれるかといえば、かつては地元の住民が茅葺き屋根(かやぶきやね)に使う葺(ふ)くための茅を集める茅場で(かつての千石原村=現・仙石原地区には茅葺屋根の民家が並んでいました)、霜除けに敷くための藁を集める採草地だったから。
昭和30年代中頃からは、採草地としての役目を終え、放置されたため、灌木が茂り始め、景観が変化しました。
森林化が進むことで、隣接する「箱根湿生花園」など仙石原の湿原地帯の存続も危ぶまれるようなったため、現在では火入れ区、刈取り区、放置区の3つを設けて、植生の変化を観察しているのです。

山焼きが行なわれたエリアでは、春の芽吹きとともに、シシウド、ナガバノスミレサイシン、キジムシロなどが姿をみせます。

ススキの穂が伸びる見頃は例年10月~11月。
夏は草原の散策を楽しむことができます。

仙石原すすき草原
名称 仙石原すすき草原/せんごくはらすすきそうげん
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町仙石原高原
関連HP 箱根町観光協会公式ホームページ
電車・バスで 箱根登山鉄道箱根湯本駅から箱根登山バス桃源台行きで27分、仙石高原下車、徒歩3分
ドライブで 東名高速道路御殿場ICから約13km
駐車場 4台/無料、10~11月は臨時駐車場(50台)開設
問い合わせ 箱根町総合観光案内所 TEL:0460-85-5700/FAX:0460-85-5721
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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