身代わり地蔵(元箱根)

身代わり地蔵(元箱根)

神奈川県箱根町、元箱根の芦ノ湖湖岸にある賽の河原(さいのかわら)から国道1号を山側に渡った岩屋に安置されているのが身代わり地蔵。鎌倉時代の初め、源頼朝の家来、梶原景季(かじわらかげすえ)が父の梶原景時(頼朝の寵臣)と見誤られて背後から斬りつけられた時、その身代わりになって景季を救った伝説が残されています。

地蔵とはいうものの、実際は阿弥陀如来

箱根神社、一の鳥居の横にある身代わり地蔵。
よく見ると右肩から左脇腹にかけて刀傷が残されています。

中世に地蔵信仰(平安時代末期の末法思想を背景に生まれた、地獄における責め苦からの救済を地蔵菩薩に欣求する信仰)が盛んだったときには元箱根には5つの地蔵堂がありましたが、唯一現存するのがこの身代わり地蔵。
元箱根石仏群もこの地蔵信仰で築かれたもので、箱根の火山活動を地獄に例えることで、地蔵菩薩が祀られたのです。
ただし身代わり地蔵は、地蔵というものの、実際には阿弥陀如来像です。
地蔵菩薩は、菩薩(仏の悟りに向けて努力する段階)なので、当然、阿弥陀如来の方がパワーアップということになるのですが・・・。

ちなみに、伊豆配流後に決起した源頼朝は、石橋山の合戦で敗れ、真鶴から安房へと海路、逃れていますが、その際、箱根権現(現・箱根神社)の別当・行実に匿われた後に箱根山から真鶴へと脱出しています。

名称 身代わり地蔵(元箱根)/みがわりじぞう(もとはこね)
所在地 神奈川県足柄下郡箱根町元箱根
電車・バスで 箱根登山鉄道箱根湯本駅から箱根登山バス、伊豆箱根バス箱根町行きで33分、元箱根下車、徒歩5分
駐車場 周辺の有料駐車場を利用
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
元箱根石仏群(元箱根石仏・石塔群歴史公園)

元箱根石仏群(元箱根石仏・石塔群歴史公園)

国道1号は、箱根山中(神奈川県箱根町)、駒ヶ岳と上二子山の間を抜けるあたりが標高874mの最高地点。一帯には、鎌倉、室町時代の地蔵信仰を伝える石仏、石塔が点在し、国の重要文化財に指定されています(元箱根石仏群)。元箱根石仏・石塔群歴史公園と

 

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