亀ヶ谷坂

亀ヶ谷坂

北鎌倉の建長寺の門前の山ノ内と扇ヶ谷(おうぎがやつ)を結ぶ山越えの道が亀ヶ谷坂 (かめがやつざか)。「鎌倉七切通し」(鎌倉七口)のひとつで、仁治元年(1240年)、鎌倉時代の歴史書『吾妻鏡』の「山内の道路を造らるべきの由その沙汰有り」の記述から、北条泰時が開削したともいわれていますが定かでありません。

かつての急峻な切通しの道も、今では改修で少しなだらかに

坂の名の由来は、あまりに急坂なため亀が途中で引き返した、あるいはひっくり返ったため亀返坂と呼ばれるようになり、いつからか亀ヶ谷坂となったとされています。
切り通し部分は何度も開削、改修が行なわれ、往時ほどは急坂でなくなっています。

鎌倉時代にはすでに使われていた道だと推測できることから、巨福呂坂とともに武蔵東部を経て下野に向かう鎌倉街道中路(通称「中の道」)の起点ともいわれています。

鎌倉時代の「鎌倉七切通し」(鎌倉七口)のひとつであるため、最高地点の切通し部分は、鎌倉防御の重要拠点。
改修前はもう少し高い部分にあり、登ってくる敵兵を撃退するような坂道だったと推測できます。

現在は、舗装されていますが、狭路となっており、車の通行は不可。
それでも地元のバイク、自転車の走行はあるので歩行にあたっては注意が必要。

国の史跡になっているほか、「鎌倉街道-七口切通」として文化庁の「歴史の道百選」にも選定されています。

亀ヶ谷坂
名称亀ヶ谷坂/かめがやつざか
所在地神奈川県鎌倉市山ノ内~扇ガ谷3丁目
電車・バスでJR北鎌倉駅から徒歩10分
駐車場なし/周辺の有料駐車場を利用
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