日本一距離の長い鉄道路線は、東北新幹線で674.9km(営業距離713.7km)ですが、逆に距離が短いのは神戸電鉄神戸高速線(南北線)でわずかに400mしかありません。兵庫県神戸市兵庫区の新開地駅〜湊川駅で、湊川駅と阪神・阪急・山陽電気鉄道を接続するために神戸高速鉄道が建設した路線です。
所要はわずか1分ですが、区間運転はありません

計画段階では、高架で当時は国鉄だった神戸駅に接続する計画でしたが、高架部分での都市分断もあったため、地下線で新開地駅とを繋ぎ、全線でわずか400mという短い鉄道路線が誕生しました。
鉄道で最短というと、鞍馬寺が経営する鞍馬鋼索鉄道(ケーブルカー)の0.2kmが最短ですが、こちらは鋼索鉄道。
路面電車では富山駅南北接続線の0.2kmがありますが、こちらは軌道です(路面電車は「軌道法」に基づいて運営)。
普通鉄道としてはこの神戸電鉄神戸高速線(南北線)がダントツに短い距離となります。
自社では列車を運行しない第三種鉄道事業の神戸高速鉄道が南北線として路線を建設、第二種鉄道事業者の神戸電鉄が神戸高速線として列車を走らせるという関係です。
大阪外環状鉄道(JR西日本・おおさか東線)、西大阪高速鉄道(阪神なんば線・西九条駅~大阪難波駅)、関西高速鉄道(JR西日本・JR東西線)と、実は関西ではこうした「謎の鉄道会社」ともいえる鉄道会社がありますが、線路を敷いて線路をレンタルしている会社です。
自治体なども出資する第三種鉄道事業者を設立して鉄道を敷設する上下分離で、鉄道会社の負担を減らそうという仕組み。
神戸高速鉄道は、阪急電鉄、阪神電気鉄道、神戸市、山陽電気鉄道、神戸電鉄などが出資する鉄道会社で、各社のターミナル駅を連絡する鉄道路線の敷設を目的に設立。
日本最短の南北線のほか、東西線7.2kmを保有、こちらは阪急神戸三宮駅からの阪急、元町駅からの阪神と新開地駅、西代駅を結び、西城駅で山陽電鉄に連絡しています。
この東西線と結ぶために新開地駅〜湊川駅に南北線を地下線として通して、T字の連絡が完成したのです。
こうして神戸電鉄は、新開地駅発となり、阪急・阪神・山陽とは新開地駅での乗り換えが可能となったのです。
わずか400mですが、もし、この南北の空白地帯をつなぐ地下連絡線がなければ、新開地駅と湊川駅は徒歩連絡になってしまいます。

日本一短い鉄道路線は、なんと0.4kmで神戸市に! | |
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