1月10日 初こんぴら(初十日祭)

金毘羅船々(こんぴらふねふね) 追風(おいて)に帆かけて シュラシュシュシュ♪ まわれば 四国は讃州(さんしゅう)那珂の郡(なかのごおり) 象頭山(ぞうずさん)金毘羅大権現(こんぴらだいごんげん) 一度まわれば♫ーの童謡『金毘羅船々』で知られる金毘羅さんの縁日が毎月10日。1月10日は『初こんぴら』となります。

金刀比羅宮(本宮)、桜馬場西詰銅鳥居
金刀比羅宮(本宮)、桜馬場西詰銅鳥居
785段の石段を上った先に金刀比羅宮本宮が
785段の石段を上った先に金刀比羅宮本宮が

ガンジス川に棲む鰐を神格化した水神「マカラ」がルーツ

海上交通の守り神として信仰されてきた金毘羅さん。正しくは金毘羅大権現で、ガンジス川に棲む鰐を神格化した水神「マカラ」(Makara)がルーツ。ヴァルナ神の乗り物(ヴァーハナ)でもあることから日本に伝来して、海上交通の神様として崇められるようになりました。修験道と融合し、天狗伝説なども生まれ、金毘羅さんの守り神になっています。

船乗りたちが全国に伝えましたが、明治維新の神仏分離で、神格化し、金刀比羅神社(金刀比羅宮・琴平神社・金毘羅神社・金比羅神社)となっていますが、信仰のルーツは香川県仲多度郡琴平町の金刀比羅宮です。

讃岐の象頭山は、古くから神山として崇敬され、金毘羅参りの参詣者を乗せた金毘羅船だけでなく、瀬戸内海を航行する舟人たちの目印になっていました。この山に金毘羅が垂迹(すいじゃく=神仏として現れる)し、金毘羅大権現として祀られるようになったのです。
象頭山金毘羅大権現は、不動明王を本地仏とした神仏混淆の霊地となっていたのです。その後、船乗りの海上安全の信仰から、江戸時代には津々浦々の湊や海を見渡す山や丘の頂に金毘羅宮、金毘羅権現社が勧請(かんじょう)されたのです。

「『初こんぴら』の起源は、桜町天皇の御代に始まると伝えられ、この日に金刀比羅大神さまを念ずれば、特別な霊妙なる功徳があるとされています。『初こんぴら』にお参りされる方の数は、年々、増え続けております。ありがたいことです。平成28年の「初こんぴら」は記録的な賑わいとなりました」(金刀比羅宮)。

船乗りたちが伝えた金毘羅信仰は、北は、江戸時代には北方開拓の拠点ともなっていた根室にある根室金刀比羅神社。1806(文化3)年、北洋漁業開拓者・高田屋嘉兵衛(たかだやかへえ)が創建した古社です。
戦前は、北方領土といわれる多楽島、志発島、水晶島にも金比羅神社が鎮座していました。

賑わう金刀比羅宮本宮
賑わう金刀比羅宮本宮

縁日は丸亀藩江戸上屋敷内の金毘羅大権現公開日に由来

縁日の始まりは、1660(万冶3)年、丸亀藩主・京極高和(きょうごくたかかず)が故国の讃岐から金毘羅大権現(金刀比羅大神)を江戸・三田の丸亀藩江戸上屋敷に勧請し、江戸庶民の要請に応えて毎月10日に邸内を開放、参詣させたことだとか。
この金毘羅さんは、1679(延宝7)年、京極高豊の代に丸亀藩江戸上屋敷の虎ノ門移転とともに虎ノ門に遷座(現在の虎ノ門金刀比羅宮)しています。つまり、虎ノ門金刀比羅宮が建つ一画(虎ノ門琴平タワー周辺)は、丸亀藩江戸上屋敷跡なのです。

東京・虎ノ門の虎ノ門金刀比羅宮は、1月1日12:00〜『初こんぴら祭』で七福神行列、里神楽奉納などがあります。また、元日から『初こんぴら祭』まで「福銭開運のお守り」が授与されます。

民謡『金比羅船々』で知られる象頭山金毘羅大権現(ぞうずさんこんぴらだいごんげん)は、現在の香川県の金刀比羅宮。1月10日には『初十日祭(初こんぴら)』が斎行され、「開運ぜんざい」、「開運長寿もち」、「開運甘酒」の接待があります。

京都市東山区の安井金刀比羅宮は、1月1日10:00〜『初金比羅祭』が斎行され、前年12月10日の『終い金比羅』から『初金比羅祭』まで、縁起物の「稲宝来」が授与されます。

虎ノ門琴平タワーと虎ノ門金刀比羅宮
虎ノ門琴平タワーと虎ノ門金刀比羅宮
正月には多くの参拝者で賑わう
正月には多くの参拝者で賑わう
金刀比羅宮『初十日祭』(初こんぴら)

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