熊本県南小国町、阿蘇北外輪山の一角、大小数百個の巨石が散らばる草原の丘(標高845.1m)が押戸石の丘。巨石群で最大の石が高さ5.5m、周囲15.3mの押戸石。古代に祭祀的なことが行なわれた可能性はあるものの、人為的に配置された列石遺構とは考えにくいのですが、地元では「ミステリーの丘」とPRしています。
丘の上の巨石群は、阿蘇カルデラの展望台に
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地元では巨岩には古代文字(ペトログラフ)が刻まれているという人もいますが、岩の性質上、風化されて判別も不可能。
平成元年2月、南小国町教育委員会が「線刻文様」を発見、さらに人工的に配置された9組の環状列石遺構であることがニューヨーク州立大学のライル・ボルスト教授によって確認、先史時代の巨石文化遺跡であることが認証されたとしています。
しかも、北側の直線上に大分県日田市の渡神岳、福岡県宗像大社があり、南の直線上に阿蘇山、高千穂神社があるとしています(ただし実際に、緯度を計測すると阿蘇山以外にはかなりのズレがあります)。
太陽石を中心に、夏至には岩の間から太陽が昇り、冬至には太陽が沈む「はさみ石」、鏡石、祭壇石などの巨石が散らばっていて、地元(南小国町商工会など)ではそれぞれに意味があると考えているのです。
押戸石の丘の巨石群は、地質学的には安山岩のマグマがゆっくりと流れ、硬質の安山岩がやや直線状、環状のかたちで地上に露出し、風化浸食を経て現在に姿となったと推測されています。
ニューヨーク州立大学にライル・ボルストという原子炉物理学者は在籍していましたが、巨石群について学術的な論文も出しておらず、科学的な見地からは、あくまでも自然の巨石群と考えるのが妥当です。
それでも阿蘇外輪山に位置する押戸石の丘からは、中央火口丘の根子岳、それを取り囲む阿蘇外輪山、さらにはくじゅう連山を眺める阿蘇カルデラの大パノラマを得ることができ、何らかの祭祀的なことが行なわれたのではないかと感じさせる雰囲気があります。
南小国町を南北に走り大観峰へと続く国道212号からマゼノミステリーロード(阿蘇・南小国両地区農免道路)に入り、さらに押戸石の表示で細い道に入って到達できます。
最後は離合も困難な道となるので運転は慎重に。
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押戸石の丘 | |
名称 | 押戸石の丘/おしとのいしのおか |
所在地 | 熊本県阿蘇郡南小国町中原 |
関連HP | 押戸石の丘公式ホームページ |
ドライブで | 大分自動車道九重ICから約36km |
駐車場 | 30台/無料 |
問い合わせ | 南小国町観光協会 TEL:0967-42-1444 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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