楽庭八幡社『吉弘楽』|国東市

楽庭八幡社『吉弘楽』

毎年7月第4日曜、大分県国東市の楽庭八幡社(がくにわはちまんしゃ)で『吉弘楽』(よしひろがく)が奉納されます。本来は、旧暦の6月13日、楽庭八幡神社の境内で、天下泰平・五穀成就・虫祈祷のために奉納される太鼓踊りで、現在は7月第4日曜に行なわれています。南北朝時代に吉広城主・吉弘正堅が創始したのが名の由来です。

太鼓踊りで、五穀成就を祈願

地頭職でもあった吉弘正堅が領内の繁栄と武運を祈ったのが始まりと伝えられ、国の重要無形民俗文化財に指定。

その後、大友氏の滅亡などによりいったんは衰退しますが、元禄10年(1697年)、杵築藩2代藩主・松平重栄(まつだいらしげよし)の時代に、甚大な食作物の被害が続いたため、都甲松行に残っていた吉弘楽を復活させています。

楽庭八幡社(がくにわはちまんしゃ)で五穀豊穰、虫害防除の祈祷のため、荘重かつ勇壮に奏でられます。
総勢49人で行われる太鼓打ちは、立烏帽子(たてえぼし)、兜(かぶと)、陣笠をかぶり、腰蓑(こしみの)にワラジを履いた楽人が旗差物(はたさしもの=戦場での目印にした旗)を背中に差すなど、中世の武士を思わせる出で立ちで、太鼓を打ち鳴らしながら荘重かつ勇壮に舞います。

楽打ち(吉弘楽の演奏)は、本頭(ほんがしら)、中頭(なかど)、末頭(すえ)の3組に編成され、各組は、音頭、鉦(かね)、笛、念仏申、端楽の役に分かれて総勢49人で演奏。

「テーンガ ターガ ターヤー、ガーターガ ターヤー ツークウーテーン」と声迦(しょうが)と呼ばれる念仏を口の中で唱え胸につけた太鼓を打ち鳴らしながら円陣を組んで奏でられることから天台密教との関係も指摘されています。
例年、楽打ちは10:00、14:00の2回行なわれます。

楽庭八幡社『吉弘楽』|国東市
開催日時 毎年7月第4日曜
所在地 大分県国東市武蔵町吉広978
場所 楽庭八幡社
関連HP 国東市公式ホームページ
ドライブで 大分空港から約9km
問い合わせ 国東市文化財課 TEL:0978-72-2677
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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