正徳5年(1715年)、來間屋文左衛門(くるまやぶんざえもん)が、雲州・平田(現・島根県出雲市平田町)で地元・出西(しゅっさい)特産の生姜(しょうが)を用い、試行錯誤を重ねて誕生した「風流珍味の菓子」が、來間屋生姜糖。砂糖に生姜を混ぜて練り固めた、滋味あふれる菓子というわけです。
出西生姜がなければ、生姜糖は生まれなかった!?
來間屋文左衛門は、試行錯誤の結果、出西産(現・出雲市斐川町出西地区)の生姜に勝るものはないということで、來間屋生姜糖の製造を開始。
一子相伝でこの製法を守り、文化年間(1804年〜1818年)に第11代将軍・徳川家斉(とくがわいえなり)に献上して有名になったのだという。
「出西生姜(しゅっさいしょうが)がなければ、來間屋の生姜糖は生まれませんでした。それほど出西生姜のパワーには脱帽させられます。ウチでは秋に採れる(収穫期は8月~10月頃)『古根』と呼ばれる生姜のみを使っています」と語るのは、11代目となる当主の來間久さん。
來間久社長が、アッパレという出西生姜、硬い繊維質が少なく、ピリッとした辛みと上品な香りが特徴の高級生姜。
「普通の生姜は繊維が多く、煮ても完全に溶けず、しかも生姜特有の昧も香りも減ってしまいます。それに比べて、出西生姜は繊維が非常に小さく、完全に溶けてしまう上に、独特の甘みと芳香を保つんです」(來間久社長)。
高級な生姜ゆえに高級料理店など重宝されますが、他県産の安い生姜に押されて一時期は生産農家が激減するという危機も。地元ブランドの見直しが図られ、「出西生姜組合」が結成されて、希少な生姜の生産が守られています。
パッケージもレトロで、昔のまま!
そんな希少な出西生姜を使った「來間屋生姜糖」、製法にもこだわりが!
まずは、炭火で生姜の絞り汁と砂糖を溶かし、そして銅製の型に流し込みます。
「昔から製法は変わっていません。生姜汁を煮詰めすぎるとカラメル状になりますし、足りなければ固まりません。ここは、経験が頼りですね」と、來間久社長も手作りゆえの難しさに苦笑いします。
生姜糖は、比較的ポピュラーな和菓子ですが、生姜独特の風味を活かし、そして保存が効き(梅雨時にも変質しない)、しかも滋味あふれるものは、「來間屋生姜糖」だけ。
全国を取材する取材班が、イチオシ!の生姜糖です。
喉の痛み止め、咳止め、そして身体を温かくするのに取材班も愛用の逸品が「來間屋生姜糖」で、お湯に溶かせば生姜湯に、さらに炭酸で割れば、本物のジンジャエールとなるのです。
空港では出雲空港売店(一畑百貨店)で取り扱っていますが、通販での取り寄せも可能。
來間屋生姜糖本舗 | |
名称 | 來間屋生姜糖本舗/くるまやしょうがとうほんぽ |
所在地 | 島根県出雲市平田町774 |
関連HP | 來間屋生姜糖本舗公式ホームページ |
電車・バスで | 一畑電車雲州平田駅から徒歩10分 |
ドライブで | 山陰自動車道斐川ICから約10km |
駐車場 | あり/無料 |
問い合わせ | 來間屋生姜糖本舗 TEL:0853-62-2115/FAX:0853-62-1303 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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