京都府京都市左京区一乗寺にある臨済宗南禅寺派の名刹、圓光寺。慶長6年(1601年)、徳川家康の命により伏見に作られた学問所が起源で、寛文7年(1667年)、現在地に移転。禅寺らしい風情と、新緑、紅葉の美しさは格別で、禅僧の修行の過程を牛(石)になぞらえたという、書院前の「十牛の庭」も見事です。
書院から額縁風に「十牛の庭」を眺望
往時には「圓光寺版」(伏見版)と呼ばれる書物も出版され、出版文化にも寄与しています。
現存するものでは日本最古となる重要文化財の木版活字(5万個)も見学可能。
「十牛の庭」(じゅうぎゅうのにわ)には、洛北最古の泉水といわれる栖龍池(せいりゅうち)や水琴窟があります。
「十牛の庭」は、牛を追う牧童の様子が描かれた『十牛図』(じゅうぎゅうず=中国宋代の禅の入門書)をモチーフにした池泉回遊式庭園で、書院に座って鑑賞する風雅な庭になっています。
『十牛図』は、禅の悟りに至る道筋を牛を主題とした10枚の絵で表したものですが、この牛は、まさに自分のことで、「自分を見つめなさい」という禅の教えを、美しい庭に潜ませているのです。
枯山水庭園の「奔龍庭」(ほんりゅうてい)は、白砂を雲海に見立て、天空を自在に奔る龍を石組で表したもので、平成25年の作庭。
龍の頭部と背中付近にそびえ立つ石柱は、圓光寺の井戸の部材を転用したもの。
境内には東照大権現(徳川家康)を祀る東照宮、家康の歯を埋めたと伝わる徳川家康の墓もあり、東照宮からは京都の街を一望にします。
また、NHK大河ドラマの第1作『花の生涯』(昭和38年放送、原作・舟橋聖一)のヒロイン、村山たか(たか女)の墓もあります。
村山たかは、神仏習合時代、多賀大社(滋賀県犬上郡多賀町)にあった寺坊・尊勝院の娘で、彦根で後に大老となる井伊直弼に出会い、安政の大獄の際に、京の情報を井伊直弼に送るスパイ役で加担したとされています。
紅葉の名所としても有名で、紅葉ライトアップも実施されています。
圓光寺 | |
名称 | 圓光寺/えんこうじ |
所在地 | 京都府京都市左京区一乗寺小谷町13 |
関連HP | 圓光寺公式ホームページ |
電車・バスで | 叡山電鉄叡山本線一乗寺駅から徒歩12分。または、JR京都駅から市バスで49分、一乗寺下り松町下車、徒歩8分 |
ドライブで | 名神高速道路京都南ICから約12km |
駐車場 | 圓光寺駐車場(30台/無料) |
問い合わせ | 圓光寺 TEL:075-781-8025 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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