黄檗山萬福寺・大雄寶殿

黄檗山萬福寺・大雄寶殿

京都府宇治市にある黄檗宗大本山、黄檗山萬福寺(おうばくさんまんぷくじ)。その本堂となるのが大雄寶殿(だいおうほうでん)で萬福寺最大の堂宇。寛文8年(1668年)の築で国の重要文化財に指定されています。ここで上げられるお経は、今も中国語です(萬福寺は13代まで中国僧でした)。

唯一最大のチーク材を使った建物

黄檗山萬福寺・大雄寶殿
お経は中国語で読まれています

建築材は南アジア、東南アジア原産のチーク材を使用。
日本では唯一最大のチーク材を使った歴史的建造物となっています。
上層の扁額「大雄寶殿」は、万治4年(1661年)に黄檗山萬福寺を開山した中国僧・隠元隆琦(いんげんりゅうき)の書です(隠元は「黄檗の三筆」と称されています)。
下層の額「萬徳尊」は木庵性瑫(もくあんしょうとう=隠元の法席を継いだ中国僧で「黄檗の三筆」のひとり)の書。
本堂内部須弥壇の上の額「真空」は明治天皇の宸筆(しんぴつ)です。

本尊は釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ=釈迦如来)で、隠元隆琦に招かれて寛文3年(1663年)、来日した范道生(はんどうせい)の指導のもと、京の仏師・兵部が寛文9年(1669年)造立。

両脇侍は摩訶迦葉(まかかしょう=釈迦の後継者で仏教第二祖)、阿難陀(あなんだ=迦葉の跡を継いだ仏教第三祖)の二尊者。

両脇に十八羅漢像を安置しています。
この十八羅漢像は、旧来の十六羅漢(鎌倉・室町時代には羅漢信仰を重んじる禅宗が発展し、多くの十六羅漢像が造立されています)に、慶友尊者(けいゆうそんじゃ)と賓頭蘆尊者(びんずるそんじゃ)を加えて、十八羅漢とした明代寺院の形式を受け継いだもので、すべて范道生の作。

黄檗山萬福寺・大雄寶殿
范道生作の十八羅漢像

左右対称の伽藍も中国式

黄檗山萬福寺・大雄寶殿

外観は2階建てに見えますが、屋根に見えるのは裳階(もこし=檐・ひさし)のため、入母屋造、内部は単層構造となっています。
萬福寺では中国式に歇山重檐式(けっさんじゅうえんしき)と称しています。

屋根の上には火焰付、二重の宝珠がのせられています。
正面入口は魔除けとされる桃の実の彫刻を施した「桃戸」、左右に円窓があるのも中国風。

本堂の正面1間分の檐廊(えんろう)軒下の垂木が丸く、かまぼこ型をしているのは、龍の腹を表すという独特の黄檗天井(法堂、開山堂の正面一間分の軒下はすべて黄檗天井)。

天王殿と大雄宝殿の間をロの字状に結ぶ回廊に沿って右側(南側)には鐘楼、伽藍堂、斎堂があり、左側(北側)には鼓楼、祖師堂、禅堂がシンメトリー(左右対称)に建ち並んでいるのも、やはり中国・明時代末期頃の様式です。

江戸時代初期、萬福寺や長崎の唐寺(とうでら)をはじめとする黄檗寺院や中国からの渡来僧、さらに渡来仏師は、日中文化交流の接点となり、美術、医術、建築、音楽、印刷、煎茶、普茶料理など日本文化の発展に大いに貢献したのです。
インパクトの強い仏像、ダイナミックな書風の墨蹟などを黄檗山萬福寺で堪能することができるのです。

取材協力/黄檗山萬福寺

名称 黄檗山萬福寺・大雄寶殿/おうばくさんまんぷくじ・だいおうほうでん
所在地 京都府宇治市五ヶ庄三番割34
関連HP 黄檗山萬福寺公式ホームページ
電車・バスで 京阪電鉄黄檗駅・JR黄檗駅から徒歩7分
ドライブで 京滋バイパス宇治東ICから約1.4km。または、宇治西ICから約3.7km
駐車場 萬福寺駐車場(60台/有料、普茶弁当・料理を味わった場合は無料)
問い合わせ TEL:0774-32-3900/FAX:0774-32-6088
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
黄檗山萬福寺・天王殿

黄檗山萬福寺・天王殿

京都府宇治市にある黄檗山萬福寺(おうばくさんまんぷくじ)。江戸時代初期に明から来日した黄檗宗の開祖・隠元がもたらした中国風の伽藍が、禅宗らしい凛とした空気の中にも優美な雰囲気を醸し出していますが、その玄関ともいえるのが天王殿。日本最古の七福

黄檗山萬福寺

承応3年(1654年)、明(現在の中国福建省)から渡来した隠元隆琦(いんげんりゅうき)禅師が後水尾法皇や4代将軍・徳川家綱の尊崇を得て、寛文元年(1661年)、宇治に開創した黄檗宗(おうばくしゅう)の大本山が黄檗山萬福寺。黄檗宗は臨済宗、曹

 

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