法界寺

法界寺

京都市伏見区日野にある真言宗醍醐派の古刹、法界寺(ほうかいじ)。『方丈記』で知られる鴨長明(かものちょうめい)が暮らし、親鸞が生まれた日野は、もともと日野家の領地。平安時代後期の永承6年(1051年)、公卿・日野資業(ふじわらのすけなり)が、薬師如来を祀る堂を建立したのが法界寺の始まり。阿弥陀堂は国宝。

宝形造り、檜皮葺きの阿弥陀堂は国宝

日野家に伝わる最澄(伝教大師)自刻という薬師如来(秘仏)を本尊として、公卿・日野資業が開山。
永承7年(1052年)からの末法思想の広まりを反映して、阿弥陀信仰の高まりがあり、阿弥陀堂を建立。
現存する阿弥陀堂(宝形造り、檜皮葺き)は、承久3年(1221年)の兵火で焼失後の再建で、本尊である木造阿弥陀如来坐像とともに国宝。

薬師堂(本堂)は、明治37年、奈良・斑鳩(いかるが)の伝燈寺(廃寺)の本堂を移築したもので、棟札から室町時代、康正2年(1456年)の建築だと判明しています(国の重要文化財)。

浄土真宗を開いた親鸞は、承安3年(1173年)、皇太后宮大進(だいじょう)、崇徳天皇の侍講などを務めた日野有範(ひのありのり=法界寺創建の日野資業の子孫)の子として、法界寺で生まれています。

修正会法会の結願日の1月14日夜に執り行なわれる『日野の裸踊り』は、精進潔斎した少年、青壮年の信徒が2組に分かれ、褌(ふんどし)ひとつの裸形となり、水垢離をとった後、国宝の阿弥陀堂広縁で、「頂礼(ちょうらい)頂礼」と連呼してもみ合うもの(踊りを奉納)。

名称 法界寺/ほうかいじ
所在地 京都府京都市伏見区日野西大道町19
関連HP 京都市観光協会公式ホームページ
電車・バスで 地下鉄石田駅から徒歩20分
駐車場 10台/無料
問い合わせ TEL:075-571-0024
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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