京都府京都市左京区、平安神宮の南神苑、その南端に静態保存されているのが、京都市交通局二号電車。明治44年、堺市の梅鉢鉄工場で製造された車輌で、電動機や台車など一部に外国製品を用いているものの、1両編成の先駆的な車輌として国の重要文化財に指定されています。
京都電気鉄道が明治44年に導入した車輌は国の重文
日本初の路面電車である京都電気鉄道の伏見線は,明治28年2月1日に七条停車場電停(東洞院塩小路下ル)〜下油掛電停(後の京橋電停)間6kmが開業(起点としてなったの場所に電気鉄道事業発祥地碑が立っています)。
京都電気鉄道は、東京奠都(とうきょうてんと)で衰退する京都の活性化事業として、琵琶湖疏水を開削して舟運で琵琶湖・大津とを結び、さらに水力を使って蹴上発電所で水力発電を行ない、その電力で日本初となる路面電車を動かしました。
京都電気鉄道の社紋が、水力発電用のタービンをデザインしたものというのも、琵琶湖疏水の水を使った発電を意味しています。
京都市交通局二号電車は、全長8.23m、幅1.98mで、現存している京都電気鉄道の車輌のうち製造年代が最古級。
京都電気鉄道は、後発の京都市電と競合し、大正7年に京都市によって買収されたため京都電気鉄道二号電車は、京都市交通局二号電車に。
京都市交通局二号電車となった車輌ですが、その後も昭和36年に北野線が廃止されるまで走行を続け、廃車時の状況をよくとどめています。
翌年、平安神宮が京都市から車両をもらい受け、南神苑で静態保存されています。
京都電気鉄道の開通間もない明治28年4月1日~7月31日、『第4回内国勧業博覧会』(平安遷都1100年の記念事業で、明治28年に平安神宮が創建され、内国勧業博覧会が開催)が平安神宮近くの岡崎公園で開かれた際、京都電気鉄道が旅客輸送に活躍し、さらには電力時代の幕開けを象徴したという由縁から。
ちなみに、国の重要文化財に指定される電車車両は「ナデ6110形式6141号電車」(鉄道博物館/さいたま市)、「東京地下鉄道1001号電車」(地下鉄博物館/東京都江戸川区)に次いで3例目。
京都市交通局二号電車 | |
名称 | 京都市交通局二号電車/きょうとしこうつうきょくにごうでんしゃ |
所在地 | 京都府京都市左京区岡崎西天王町60平安神宮庭園内 |
電車・バスで | JR京都駅から市バスで26分、京都会館美術館前下車、徒歩4分で応天門。または地下鉄東西線東山駅から徒歩15分で応天門 |
ドライブで | 名神高速道路京都東ICから約7km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
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