二条城・本丸御殿

二条城の本丸にあるのが国の重要文化財に指定される本丸御殿ですが、もともと二条城の建築物ではありません。明治時代、二条城は皇室の「二条離宮」となりましたが、明治26年〜明治27年に荒廃した二条城を整備するため、御所の北にあった桂宮御殿を移築。それが現在、本丸御殿と呼ばれる建物です。

本丸御殿の観覧は、事前予約制

江戸時代の二条城は、京における将軍の宿泊所、そして朝廷との折衝の場という側面が強くなりました。
3代将軍・徳川家光の時代には朝廷との緊張関係にありましたが、将軍職を家光に譲った大御所・徳川秀忠は、後水尾天皇の二条城行幸のため、寛永3年（1626年）、二条城に二の丸御殿を築き、さらに西側に拡張して本丸を整備し、本丸御殿を建設しています。
朝廷との交渉が最重要課題で、そのための施設が二条城だったのです。

二の丸御殿は現存して国宝になっていますが、本丸御殿は天明8年（1788年）の大火で焼失。
幕末に15代将軍・徳川慶喜が本丸の北部に、仮御殿を建てましたが明治14年頃、撤去されています。

明治17年、皇室の離宮となり、それまで将軍の生活空間だった二の丸御殿・白書院も天皇の御座所となると、明治天皇や皇后、また皇太子時代の大正天皇が訪れるために、本丸御殿が整備されます。
江戸時代後期築の桂宮御殿（幕末には孝明天皇の仮皇居だった／和宮もこの御殿から将軍・家茂に嫁いでいます）から玄関、御書院、御常御殿、御清所（台所）、雁の間を移築、本丸御殿としたのです。
移築に際して御常御殿を90度向きを変えて御書院に渡り廊下で結び、離れていた御清所（台所）と雁の間を隣接させるなど、便利な仕様に変更。

本来は畳敷きでしたが、畳の上に絨毯（じゅうたん）を敷いてシャンデリアなど欧風化が行なわれています。

江戸時代に建てられた皇室の御殿としては現存する唯一のもので、実に貴重です。
障壁画も狩野永岳（かのうえいがく）など幕末に京で活躍した狩野派の絵師で、幕末の宮廷文化を今に伝えています。

本丸御殿の観覧は、事前予約制で、事前にWEBチケットの購入が必要です（来城日の30日前から販売）。
建物内の写真・ビデオの撮影は禁止です。

二条城

徳川家康が京都の守護と上洛時の宿泊場所として1603（慶長8）年に築造し、3代将軍・徳川家光が伏見城の遺構を移すなどして1626（寛永3）年に完成したのが二条城（元離宮二条城）。1867（慶応3）年に15代将軍・慶喜が大政奉還を行なうまで京

二条城・本丸櫓門

京都府京都市中京区、世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産のひとつ、二条城。その二条城の本丸の正門が、本丸櫓門。二の丸から内堀を東橋で渡ると、東に向いて建てられた本丸櫓門があります。寛永3年（1626年）、徳川家光が造営した本丸内に唯一現存

二条城・二の丸御殿（国宝）

京都府京都市中京区、徳川家の栄枯盛衰を今に伝えるのが世界遺産「古都京都の文化財」の構成資産にもなっている二条城です。二の丸御殿は、東大手門から入城し、唐門をくぐった先にあるのが二の丸御殿。後水尾天皇の二条城行幸に備え、寛永3年（1626年）