【マンホールで知る町自慢】No.022 長浜市

長浜市のマンホールの絵柄は、瓢箪(ひょうたん)のみです。
瓢箪は豊臣秀吉の馬印です。

豊臣秀吉の馬印が千成瓢箪

馬印は、戦国武将が合戦の際、敵味方に自分の所在を誇示する目的で使用されました。
馬標、馬験などとも書いていずれも「うまじるし」。
豊臣秀吉の馬印、「千成瓢箪」(せんなりびょうたん)はとても有名です。

秀吉の馬印(千成瓢箪)
秀吉の馬印とされる千成瓢箪

千成瓢箪が秀吉の馬印となったのには、深いワケがありました。
永禄10年(1567年)、織田信長の稲葉山城攻略の際に、秀吉(当時は木下藤吉郎)は、背後からの奇襲を進言して稲葉山城の侵入に成功。
その時、信長本隊に送った合図が槍の先に付けた瓢箪だったのです。
この合図で総攻撃が始まり、城に火が放たれました。
難攻不落の稲葉城を、秀吉の奇策で落城させたのですから、信長の覚えもよく目出度く「金の瓢箪を馬印にすること」が許されたのです。

秀吉は戦での勝利ごとに瓢箪を加え、「千に成ること」を思い描いていたのでしょうか?
実は、戦国時代に描かれた屏風絵などの秀吉の姿に「千成瓢箪」を見いだすことはできません。
江戸時代後期の『絵本太閤記』が初登場。
つまり、千成瓢箪は後世の創作で、秀吉の馬印の瓢箪は1個だけというのが真相です。

馬印
左から5つ目が秀吉の大馬印、6番目が秀吉の小馬印。右から3番目が信長の馬印

秀吉の大名への第一歩は長浜から

秀吉が、木下藤吉郎秀吉から羽柴秀吉に名を改め、初めて城持(しろもち)の大名に出世したのが近江長浜です。
1573年(天正元年)、秀吉は浅井長政攻略の功で織田信長から浅井氏の旧領を拝領。当時今浜(いまはま)と呼ばれていたこの地を信長の名から「長」の一字を拝領し長浜に改名したのです。

その後、本能寺の変後の「清須会議」まで長浜城は秀吉の居城になります。
この長浜では楽市楽座も開かれ、秀吉の城下町経営の基本パターンが生まれています。

長浜城
桜の名所でもある長浜城の復元天守

長浜城主となった秀吉は、その後天下統一を果たしたので、現在の長浜市の人々にとっては、一番の英雄といって間違いないでしょう。
「長浜城と千成瓢箪(馬印は瓢箪1個ですが)」は出世のラッキーアイテムなのです。
千成瓢箪は、秀吉が城主を務めたゆかりの地、大阪府と滋賀県長浜市では府章、市章にもあしらわれています。

長浜市街空撮
空から眺めた長浜城周辺

長浜は石田三成出生の地でもある!

秀吉の腹心・石田三成は永禄3年(1560年)、近江国坂田郡石田村(現在の滋賀県長浜市石田町)で生まれました。
JR長浜駅前には長浜城主・羽柴秀吉と石田三成の「出逢い」の像が立っています。
石田三成が秀吉に登用された『三献茶』の逸話をモチーフとした像です。

秀吉・三成出逢いの像
秀吉・三成出逢いの像(右の少年が三成)

鷹狩の途中で、秀吉は小姓・三成がいる寺(出逢った場所は観音寺、古橋の法華寺の二説があり定かでありません)に立ち寄り、お茶を所望しました。
接待した三成は、「最初の一杯は、温めの茶をたっぷり、二杯目は少し熱めの茶を半分ほど、三杯目には小さな茶碗で熱い茶を差し出した」(『三献茶』の逸話)と伝えられています。
真偽は定かではありませんが、喉の渇きを急いで癒し、その後、お茶をゆっくり味わうという心配りに秀吉はいたく感心し、三成をヘッドハンティングしたと伝えられています。
秀吉(1537年生まれ)、三成(1560年生まれ)、年の差23歳の出逢いです。

豊国神社
秀吉は豊国神社の祭神となり長浜の人に崇められています

秀吉は有名な軍師・黒田勘兵衛や竹中半兵衛など、ヘッドハンティングの才能はバツグン。
その三成も食料・銃、大砲の補給と馬や船の調達など、近世的な戦略に長けていました。太閤検地(歴史学で中世と近世を分ける大事業)に手腕を発揮したことからも、その智将ぶりは明らかです。

大河ドラマに登場する三成

有名な忍城水攻めを描いた映画『のぼうの城』(平成24年/TBS開局60周年記念作品)では、上地雄輔が三成を演じました。
また、平成28年のNHK大河ドラマは『真田丸』(主演・堺雅人)にも登場。真田昌幸の正室は、石田三成の正室の姉。つまり、石田三成と真田信繁(真田幸村)は義理の伯父と甥の関係で、『真田丸』では山本耕史が三成を好演しています。

石田三成像
石田会館の石田三成像(石田会館=石田三成の出生地)

実は、長浜の観光関係者は「石田三成を大河ドラマの主人公に」と、大いに息巻いているのです。
そんなこともあって、現在、地元長浜市では『真田丸』でちゃっかりと石田三成をアピールし、後の『三成主人公の大河ドラマ』につなげようと、三成ばりの戦略を巡らしているのです。
頑張れ! 長浜!

 

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