二見浦

二見浦

三重県伊勢市二見町、伊勢湾に注ぐ五十鈴川(いすずがわ)の三角州地帯で伊勢神宮参拝の水垢離(みずごり)を行なう垢離場として、そして万葉の昔から景勝地として有名な海岸が二見浦(ふたみがうら)。夫婦岩は二見浦のシンボルで、夫婦円満・縁結びの象徴として知られます。海水浴場としても有名で、日本の渚百選にも選定。

海岸沿いには二見浦公園が整備

白砂の浜が弧を描く二見浦海水浴場は、明治15年に初代軍医総監松本順によって開設され、明治16年、内務省衛生局長・長与専斉が日本初の海水浴場として公認。
ただし、当時の海水浴は、潮湯治で、海に入る冷浴と、浜辺の浴槽で温めた海水に浸かる温浴という療養目的のものでした。
明治20年開館の賓日館(ひんじつかん)は、往時の旅館で、国の重要文化財に指定(一般公開されています)。

海岸沿いにある二見浦公園が整備され、夏場は眺めのいい快適な海水浴場として多くの海水浴客でにぎわいます。

全国屈指の日の出の名所で、とくに5~7月には夫婦岩の岩と岩の間から太陽が昇り、海を茜色に染めることで有名。
とくに夏至の日には、富士山頂から日が昇るダイヤモンド富士を仰ぐことも。

「浪越すと二見の松の見えつるは 梢にかかる霞なりけり」(西行)、「神風乃伊勢の浜萩折り伏せて 旅寝やすらむ荒き浜辺に」(万葉集)など、二見浦公園の松林には数多くの句碑や歌碑が建てられています。


松尾芭蕉も『奥の細道』から故郷・伊賀上野への帰途の途中、大垣から伊勢神宮を目ざし、西行を偲んでこの二見浦にやってきて句を詠んでいます。
『泊船集』には、「二見の圖を拝み侍りて」と前書きし「うたがふな潮の花も浦の春」(現代訳:花のように舞い散る波も、二見浦の春を寿いでいる)と記されています。
芭蕉が二見浦を訪れたのは元禄2年9月6日(1689年10月18日)、46歳のときのこと。
二見館前には句碑が立てられています。

二見浦
名称 二見浦/ふたみうら
所在地 三重県伊勢市二見町江
関連HP 伊勢市公式ホームページ
電車・バスで JR二見浦駅から徒歩10分
ドライブで 伊勢二見鳥羽ライン朝熊東ICから約3.7km
駐車場 二見浦公園駐車場(50台/無料)、二見総合駐車場(200台、無料)、二見老人福祉センター(120台、無料)
問い合わせ 伊勢市文化振興課 TEL:0596-22-7885
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

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