七里御浜

七里御浜

熊野灘に面して三重県熊野市の鬼ヶ城から御浜町を経て、和歌山県境を流れる熊野川河口(紀宝町)まで3市町7里に渡って続く、小石と砂からなる長大な海浜が七里御浜(しちりみはま)。日本で一番長い砂礫(玉砂利)海岸は、吉野熊野国立公園の一部で「日本の白砂青松100選」、「21世紀に残したい日本の自然百選」、「日本の渚百選」にも選定。

22kmも続く海岸の小石はアクセサリーにも

七里御浜

七里御浜に打ち寄せる波は、漂着した礫を玉石に磨き上げます。
こうして海岸では御影石や那智黒石など「御浜小石」と呼ばれる美しい石が生まれるのです。
那智黒石は中新世熊野層群から採取される黒色緻密な珪質頁岩(粘板岩)で、江戸時代には那智黒という言葉まで生まれ、明治時代中期以降には黒碁石に加工されるようになったのです。

許可された「拾い子さん」の手によって拾われ、アクセサリーなどに加工される「御浜小石」。
その原石は、熊野川が紀伊山地を削って運んできたもの。

海岸沿いの松林は七里御浜風景林(七里御浜国有林)で、風致保安林(名所や旧跡の風景を保存する林)にもなっています。

アカウミガメの産卵地にもなっており、5月〜9月の間はウミガメの産卵、ふ化を保護するため、車やバイクの乗り入れが規制されています。

海岸沿いには熊野詣の「浜街道」も通っていた!

七里御浜

熊野古道・伊勢路の一部はこの平坦な海岸を利用し、JR熊野市駅のあたりから新宮、熊野速玉大社までは七里御浜の海沿いの道が利用され、「浜街道」、「巡礼道」と呼ばれていました。
川にも橋のない時代のこと、浜街道ではいくつかある川の河口が難所で、河口渡りの際に波にさらわれ、命を落とした巡礼者も少なくなかったとか。
七里御浜の南端には加持鼻王子権現跡(かじはなおうじごんげんあと)がありますが、津波で二度流され、今では井田上野口JRガードの近くに移し祀られています。
七里御浜は、「紀伊山地の霊場と参詣道」として世界遺産に登録されています(バッファー地域)。

熊野市有馬町の海岸の背後には花窟神社(はなのいわやじんじゃ)があり、熊野灘に面した高さ45mの巨岩である磐座(いわくら)が御神体です。
熊野市井戸町の海岸にある獅子巌(獅子岩)は、鬼ヶ城とともに国の名勝および天然記念物に指定。

御浜町の国道沿いには「道の駅パーク七里御浜」もあり、ドライブ途中の休憩スポットになっています。

毎年8月17日に行なわれる『熊野大花火大会』はこの七里御浜の夏を飾る大イベント。

七里御浜
毎年8月17日に行なわれる『熊野大花火大会』
七里御浜
名称 七里御浜/しちりみはま
所在地 三重県熊野市有馬町
関連HP 熊野市観光公社公式ホームページ
電車・バスで JR熊野市駅から徒歩5分
ドライブで 紀勢自動車道尾鷲北ICから約39km
駐車場 七里御浜ふれあいビーチ駐車場、道の駅パーク七里御浜駐車場を利用
問い合わせ 熊野市観光スポーツ交流課 TEL:0597-89-4111
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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