花窟神社

花窟神社

三重県熊野市にある巨岩を御神体とする古社が花窟神社(はなのいわやじんじゃ)。熊野灘(七里御浜海岸)に臨む高さ45mの巨岩が神が降臨する磐座(いわくら)で、御神体。熊野における自然信仰(巨岩信仰・磐座信仰)で、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産にもなっています。

世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産のひとつ

花窟神社の祭神は、伊弉冉尊(いざなみのみこと)と軻遇突智尊(かぐつちのみこと)。
『日本書紀』に伊弉冉尊は「熊野の有馬村に葬(かく)しまつる 土俗(くにびと)此神の魂(みたま)を祭るには 花の時に花を以って祭る」(紀伊国の熊野の有馬村に埋葬され、近隣の住人は、季節の花を供えて伊弉冉尊を祭った)と記されていることから、花を祀った岩窟という社名からも伊弉冉尊の埋葬地に比定されています。
巨岩の麓にある「ほと穴」と呼ばれる岩窟がその埋葬地とされ、白石を敷き詰めて玉垣で囲んだ拝所が設けられています。
平安時代編纂の『延喜式神名帳』には、花窟神社の名はなく、実は神社となったのは明治時代のこと。
つまりは墓所と拝所と認識されていたのです。

樹々が鬱蒼と生い茂る森に、自然崇拝を源とする信仰が根付き、死後の世界=黄泉の国(よみのくに)と通じていると信じられてきた聖地・熊野。
その代表的なパワースポットがこの花窟神社で、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産になるのもそうした巨石崇拝などが今に伝わっているから。

磐座の頂上と境内は、縄で結ばれ、2月2日(春季大祭)、10月2日(秋季大祭)に『御縄掛け神事』が執り行なわれています。
社前の「お綱茶屋」(おつなちゃや)では、地域特産品である古代米(イザナミ米)を使用したみたらし団子、「お綱もち」、古代米入りうどん、古代米おにぎり、熊野特産のさんま寿司、めはり寿司を味わえるほか、地域の特産品を購入することができます。
「道の駅 熊野・花の窟」もあって、熊野路の観光拠点にもなっています。

花窟神社
名称 花窟神社/はなのいわやじんじゃ
所在地 三重県熊野市有馬町上地130
関連HP 花窟神社公式ホームページ
電車・バスで JR熊野市駅から徒歩20分
ドライブで 熊野尾鷲道路熊野大泊ICから約3km
駐車場 20台/無料
問い合わせ 熊野市観光協会 TEL:0597-89-0100
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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