伊豆沼・内沼

伊豆沼・内沼

宮城県栗原市と登米市(とめし)の境界にある自然の湖沼が伊豆沼・内沼。面積は伊豆沼が369ha、その南側の内沼が122haで合計491ha。水深は平均80cm、最大1.6mと浅いのですが宮城県では最大面積を誇る自然の湖沼です。豊かな自然が残され、渡り鳥の飛来地としても有名で、ラムサール条約登録湿地になっています。

オオハクチョウの日本一の越冬地

伊豆沼・内沼
早朝、マガンが一斉に飛び立つ

沼の周囲は田んぼが広がり、沼の水が水源として利用されるとともに、荒川の遊水地として洪水調整の役割も果たしています。
沼の中央部まで水生植物が繁茂し、冬も凍ることがないため、渡り鳥の飛来地になっています。
極東ロシアから渡ってくるガンやカモ、ハクチョウ類の貴重な越冬場所であることから、昭和60年9月13日にラムサール条約に登録されていますが、登録湿地としても、国内で2番目に指定されているので、その国際的な重要性がよくわかります(ラムサール条約登録第1号は釧路湿原で、昭和55年6月17日)。

周囲に水田があることも、渡り鳥にとっては格好の飛来地で、マガンは夜間に伊豆沼・内沼で休息し、早朝に一斉に飛び立って周辺の水田に向かいます。
マガンが一斉に飛び立つ時の羽音と鳴き声は荘厳で、環境省の「残したい日本の音風景100選」にも選定。
マガンの飛び立ちは、日の出30分前くらいからが見頃で、11月初旬に5:30頃、12月初旬に6:00頃、1月初旬に6:30頃となります。

またオオハクチョウも毎年2000~3000羽が飛来し、伊豆沼・内沼は、オオハクチョウの日本一の越冬地にもなっています。
伊豆沼・内沼は夏になるとハスの花が沼面を飾りますが、ハクチョウたちは、周辺の水田や沼の中でマコモの地下茎やハスの地下茎(レンコン)を懸命に掘り出して食べています。

伊豆沼・内沼一帯は宮城県自然環境保全地域のほか、国の天然記念物や国指定鳥獣保護区特別保護地区にも指定されているので、自然保護には留意して自然観察、野鳥観察を。

渡り鳥のマガンは9月下旬〜2月下旬頃、オオハクチョウ、コハクチョウは10月下旬〜3月下旬頃、伊豆沼・内沼渡来し、1月にその数がピークに達します。

伊豆沼の北岸に「宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター」(鳥類館)、伊豆沼南畔の登米市迫町には「登米市伊豆沼・内沼サンクチュアリセンター」(淡水魚館)、内沼の湖畔には「栗原市サンクチュアリセンターつきだて館」(昆虫館)があり、ビジターセンターの役割を担っています。

また、ハスの開花時期(7月下旬〜8月下旬)に合わせて『はすまつり』が開催され、ハスを鑑賞する遊覧船も運航。

沼という名がありますが、大部分はヨシやマコモで覆われている湿地で、沼を干拓した水田に囲まれています。

渡り鳥が害鳥とみなされることもありましたが、現在では、冬期にも田に水を張る「ふゆみずたんぼ」(事業主体は伸萠ふゆみずたんぼ生産組合)が行なわれています。
田んぼを農業湿地として、餌場、休息地を提供すると同時に、鳥たちが田の虫を食べ、リン酸を多く含んだ糞をすることで、土をつくるという効果も生まれました。
さらに鳥類が雑草を捕食するので、除草剤を使う必要もなくなり、害鳥といわれ続けたマガンでしたが、「ふゆみずたんぼ」によって渡り鳥と農業の共生を目指すことができるように変化したのです。
「ふゆみずたんぼ」12月~2月に行なわれ、開始の12月には土づくりのために10aあたり米ぬか60kgとくず大豆50kgが散布され、イトミミズの活動を活発にしています。

ふゆみずたんぼ農法で生産された米は「ふゆみずたんぼ米」というブランド米になっています。

国の天然記念物に指定されているマガンの越冬地で、シベリアから日本国内に飛来する半数の7万羽が越冬する最大級の越冬地で、10月中旬〜2月上旬が観察シーズンになっています。

日の出20分前の飛び立ち、日没20分後の塒(ねぐら)入りの光景は圧倒的な迫力があります
北・南・西の3つの駐車場がありますが、野鳥観察の観察施設、トイレなどは整備されていません。
マガンの観察には南駐車場を利用し、白鳥地区南水面まで徒歩5分、沼中央の水面まで徒歩30分。
夕方は足元が見えなくなる前に車に戻るように。

9kmほど南の蕪栗沼(かぶくりぬま)もラムサール条約登録湿地で、マガンの飛来地になっています。

伊豆沼・内沼
名称 伊豆沼・内沼/いずぬま・うちぬま
所在地 宮城県栗原市若柳上畑岡敷味・登米市迫町新田前沼など
関連HP 栗原市公式ホームページ
ドライブで 東北自動車道築館ICから約8.7km。または、三陸自動車道登米ICから約19.7km
駐車場 あり
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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蕪栗沼

蕪栗沼

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