浦頭引揚記念平和公園

浦頭引揚記念平和公園

長崎県佐世保市針尾北町、浦頭国際ターミナル近くにある公園が、浦頭引揚記念平和公園(うらがしらひきあげきねんへいわこうえん)。浦頭港は、第二次世界大戦後の引揚港のひとつで、昭和20年10月〜昭和25年4月の間に、139万6468人(佐世保引揚援護局)が上陸したという、最大の上陸港になっています。

最大の引揚港だった浦頭港を眼下にする公園

浦頭引揚記念平和公園

引き揚げというとソ連による抑留から解放され、引揚船で帰ってくる息子の帰りを待つ母親を歌った『岸壁の母』(昭和29年、菊池章子の歌唱で大ヒット、その後、二葉百合子のカバー版も大ヒット)で有名な舞鶴港を思い浮かべますが、実は浦頭港が日本一の引揚者数を誇った港。
139万6468人の内訳は、一般邦人75万8879人、陸軍61万3411人、海軍2万4178人で、抑留された一般邦人が多かったことがわかります。

引揚者は当地から引揚援護局本所がある旧針尾海兵団(現・ハウステンボス)まで7kmの山道を徒歩移動して諸手続きを行なった後、国鉄大村線・南風崎駅から引揚列車に乗車して故郷へと向かったのです。
広東ではコレラが蔓延していたため、コレラ、チフス撲滅のため浦頭検疫所も築かれ、消毒室でDDTによる消毒が実施されたのです。
船内で倒れたり、上陸直後に亡くなる人も多く(数千人を数えます)、命からがら日本に帰国した人も骨と皮のような姿だったと伝えています。

こうした引揚の歴史は埋没してしまっていましたが、歌手・渡辺はま子(慰問として訪れていた天津で終戦を迎え、捕虜として1年間の収容所生活を送っています)など引揚者からの寄付などもあって、昭和61年5月3日、浦頭引揚記念平和公園が開園し、浦頭引揚記念資料館が開館しています。
浦頭引揚記念平和公園内には、引揚者像、平和の像、『かえり船』田端義夫歌唱碑などが立っています。

ちなみに各港の引揚者数は、浦頭港139.6万人、博多港139万人、舞鶴港67万人、浦賀港56万人、仙崎港(山口県長門市)41.3万人、大竹港41万人が上位6港です。

画像協力/長崎県観光連盟

浦頭引揚記念平和公園
名称 浦頭引揚記念平和公園/うらがしらひきあげきねんへいわこうえん
所在地 長崎県佐世保市針尾北町824
関連HP 佐世保市公式ホームページ
電車・バスで JR早岐駅から西海橋西口行きで16分、浦頭下車、徒歩10分
ドライブで 西九州自動車道佐世保大塔ICから約7km
駐車場 あり/無料
問い合わせ 浦頭引揚記念資料館 TEL:0956-58-2561
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
日本五大引揚港

日本五大引揚港とは!?

第二次大戦直後に大陸や南方の戦地からの引揚者が帰国した引揚港は、『岩壁の母』のヒットで舞鶴港が有名ですが、引揚者数上位5港は、浦頭港(長崎県佐世保市)139.6万人、博多港139万人、舞鶴港67万人、浦賀港56万人、仙崎港(山口県長門市)4

 

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