毎年8月16日、神奈川県三浦市で『三戸お精霊流し』(みとおしょろながし)が行なわれます。三浦市初声町三戸地区に伝わる盆行事で、国の重要無形民俗文化財。早朝に三戸浜で、谷戸上・北・神田の3地区で計3艘の藁(わら)製お精霊船が沖に向かい、霊を西方浄土に返す「盆送り」 がしめやかに行なわれます。
送り盆に先祖の霊を西方浄土に返す儀式
『三戸お精霊流し』に使われる精霊舟は全長6mほどで、これにお精霊さまやキュウリ・ナスで作った馬・牛など各家の供物をのせて飾り、 沖合まで「セイトッコ」と呼ばれる子供たちが泳いで曳きだすのが習いとされています。
お精霊船作り6:00~、お精霊流しは船ができ次第(8:00前後)。
かつては海岸に「浜小屋」と呼ばれる仮小屋が建てられ、少年たちが寝泊まりをしたといいますが、それも今では昔話になっています。
海の彼方に観音様のいる極楽浄土があると信じ(西方浄土)、死後その浄土に往生できること(極楽往生)を願いました。
成仏した魂(精霊)は、毎年お盆になると、極楽浄土から迎え入れ、そして先祖の霊に礼を尽くし、子孫の繁栄を願い、かってこの世で過ごした思いを味わってもらうための時間と空間がお盆というわけなのです。
現世から極楽浄土へと再び精霊を送り出すのがこの『お精霊流し』です。
三戸お精霊流し|三浦市 | |
所在地 | 神奈川県三浦市初声町三戸 |
場所 | 三戸海岸 |
関連HP | 三浦市公式ホームページ |
電車・バスで | 京急三崎口駅から徒歩20分 |
問い合わせ | 三浦市教育委員会生涯学習課文化財保護係 TEL:046-882-1111 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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