奈良県橿原市(かしはらし)にある今井町は、室町時代末期の天文年間の頃(1532年~1555年)、今井兵部卿豊寿(いまいひょうぶきょうとよひさ)が一向宗道場を設け、それを拠点にして一向宗徒が集まり、寺内町が形成されたのが始まり。美しい家並みは橿原市今井町伝統的建造物群保存地区(寺内町・在郷町)に指定されています。
江戸時代の伝統的な民家や商家の並ぶ町並み
四町四方に濠を巡らせ、土手を築いた城郭都市で、天正2年(1574年)織田信長が石山本願寺を攻めた翌年には、今井も織田軍に攻められて降伏。
江戸時代には天領となりますが、堺と並ぶ自治特権が与えらて繁栄しています。
周囲の環濠を含めた広さは、東西600m、南北300mで、旧環濠内には江戸期の伝統的な民家や商家が密集し、17.4haが国の伝統的建造物群保存地区に指定されています(寺内町・在郷町)。
760戸のうち6割が伝統的な民家や商家で、今西家住宅、旧米谷家住宅、高木家住宅、音村家住宅、中橋家住宅、豊田家住宅、上田家住宅、河合家住宅の8軒が国の重要文化財に指定。
軒の線がほぼ揃った美しい家並みは、時代劇のロケにも使われることも。
「米忠」の屋号をもつ旧米谷家住宅は、金物商を営んでいた商家で、重要文化財に指定された町屋のなかでは唯一内部が見学できる施設。
18世紀初期の町家を再生した「今井まちや館」、明治36年築の旧今井町役場を再生した今井まちなみ交流センター「花甍」(はないらか)がビジターセンターとして機能しています。
奈良県内の重要伝統的建造物群保存地区には、このほか五條市五條新町(商家町)、宇陀市松山(商家町)があります。
また、寺内町として重要伝統的建造物群保存地区に選定されるのは、今井町のほかには大阪府富田林市の富田林市富田林伝統的建造物群保存地区(興正寺別院を中心とした寺内町)があるだけです。
名称 | 橿原市今井町伝統的建造物群保存地区/かしはらしいまいちょうでんとうてきけんぞうぶつぐんほぞんちく |
所在地 | 奈良県橿原市今井町 |
関連HP | 橿原市公式ホームページ |
電車・バスで | JR畝傍駅から徒歩10分、または近鉄橿原線八木西口駅から徒歩5分 |
ドライブで | 西名阪自動車道郡山ICから約16km |
駐車場 | まちなみ交流センター駐車場(35台/無料) |
問い合わせ | 教育委員会事務局文化財課 TEL:0744-47-1315 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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