奈良県奈良市登大路町、明治28年に、東京国立博物館に次いで造られた国立博物館で、奈良公園の一角にあるのが、奈良国立博物館。レンガ造りの本館は、赤坂離宮(迎賓館)などを手がけた宮廷建築家・片山東熊(かたやまとうくま)の設計で明治中期の代表的な欧風建築として国の重要文化財に指定。
重要文化財の本館は「なら仏像館」として仏像を展示
廃仏毀釈後の、仏教芸術の散逸を避ける意味もあり、明治28年、帝国奈良博物館として開館。
開館した奈良公園ももともとは興福寺の土地で、上知令で寺領が国に没収され、公園になったもの。
同様に、奈良では困窮する寺が増加し、仏教芸術の散逸が問題となっていました。
海外の万国博覧会などで日本の仏教芸術が注目されるようになったこともあって、博物館が建設されました。
毎年秋に開催される『正倉院展』をはじめ仏教美術が展示の中心で、国宝、重要文化財などに指定されるものも多く、預託を含め、仏教美術に関しては国内随一の質と量を誇る博物館(館蔵品1900余点と寺社などからの寄託品2000点余を収蔵)。
吉村順三の設計による新館は校倉造り(あぜくらづくり)を模して造られて、『正倉院展』は新館でが使われています。
本館(明治27年築、奈良で最初の本格的西洋建築)は「なら仏像館」として国宝、重要文化財を含む常時100体近くの仏像を展示するほか、渡り廊下でつながれた「青銅器館」には、中国古代の青銅器(坂本コレクション)を展示。
ミュージアムショップとレストラン「葉風泰夢」(ハーフタイム)は無料エリアにあり、ミュージアムショップでは奈良博グッズなどオリジナルグッズも販売。
仏教美術資料研究センターとして使われる明治35年築の「旧奈良県物産陳列所」も国の重要文化財に指定されています。
国立博物館は、東京国立博物館(日本と東洋の文化財を守り伝える中心拠点)、奈良国立博物館(仏教美術及び奈良を中心として守り伝えられてきた文化財を取り扱う)、京都国立博物館(古都・京都を中心とした神社仏閣等の貴重な文化財の収集・保存・公開)、九州国立博物館(「日本文化の形成をアジア史的観点から捉える」がコンセプト)の4館で、このほか「北海道国立アイヌ民族博物館」(アイヌ民族の文化を復興し、発展させるべく創設したアイヌ文化の展示や調査研究などに特化した博物館)があります。
奈良国立博物館 | |
名称 | 奈良国立博物館/ならこくりつはくぶつかん |
所在地 | 奈良県奈良市登大路町50 |
関連HP | 奈良国立博物館公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄奈良線・JR奈良駅から奈良交通バス市内循環で3~6分、氷室神社・国立博物館下車すぐ |
ドライブで | 名阪国道天理ICから約8km |
駐車場 | 周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 奈良国立博物館 TEL:050-5542-8600(ハローダイヤル)/FAX:0742-26-7218 |
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。 |
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