當麻寺・中之坊

當麻寺・中之坊

奈良県葛城市當麻、當麻寺中之坊(たいまでらなかのぼう)は當麻寺最古の由緒を伝える子院。白鳳時代(7世紀末)に役行者(えんのぎょうじゃ=役小角・えんのおづぬ、修験道の始祖)により開かれた道場がルーツで、天平年間に當麻寺別当(住職)の住房「中院御坊」となったもの。

中将姫説話を今に伝える當麻寺の中核的な子院

當麻寺・中之坊

當麻寺別当・実雅は、道場を住房「中院御坊」とし、さらに女人禁制を解いて天平宝字6年(762年)、中将姫(ちゅうじょうひめ)を迎え入れています。
天平宝字7年(763年)、中院の小堂(現在の中将姫剃髪堂)で、中将姫の剃髪の儀が執り行なわれ、法如という名の尼僧になったのです。
法如(中将姫)により綴織(つづれおり)という技法で織られた『綴織當麻曼荼羅』(つづれおりたいままんだら/国宝)は、根本曼陀羅(こんぽんまんだら=中央に阿弥陀三尊を配し、左右に観無量寿経の説話、下部に九品往生の様を織り込み、阿弥陀如来の極楽浄土を曼荼羅で表現)と呼ばれ、當麻寺の本尊になっています。

刺繡(ししゅう)や綴織などで表された仏像は数多く、古代では大寺院の一堂の本尊とされる花形的存在で、當麻寺に伝わる『綴織當麻曼荼羅』はその筆頭です。

中之坊は、今も當麻寺の中核的な存在で、吉野山・竹林院群芳園、大和郡山・慈光院庭園とともに大和三名園に数えられる「香藕園(こうぐうえん)」、江戸初期に建築された書院(国の重要文化財)、茶室「丸窓席」などを拝観することが可能。
香藕園は、国宝に指定される當麻寺の東塔、西塔を借景にする池泉回遊式庭園で、
さらに写仏道場(写経道場)もあり、写仏写経もできます。
中之坊にある霊宝館では、當麻寺の寺宝を公開。

毎月16日14:00〜『導き観音祈願会』(16日は中将姫が祈願した日で、最もご利益があるとされる日)、毎月1日13:00〜中之坊護摩堂で『不動明王護摩祈祷』。
役行者がその製法を教え伝えたという秘薬「陀羅尼助」(だらにすけ)の祈祷も行なわれ、陀羅尼助発祥の地ともいわれています(當麻寺の授与品に胃腸薬「陀羅尼助」・「陀羅尼助丸」があります)。

中之坊に伝わる『當麻曼荼羅絵解き』は、『當麻曼荼羅』に描かれた極楽浄土の光景を独特の節回しの絵解き節(えときぶし)で解説するもの。
「絵天井の間」として有名な写佛道場で行なわれるので、同時に絵天井特別拝観もできることに。
10名以上の団体のみ受付ですが、団体受付日に個人参加も可能(参加希望の場合は、事前に確認を)。

大和七福神(信貴山朝護孫子寺、久米寺、子嶋寺、おふさ観音、談山神社、當麻寺中之坊、安倍文殊院)に大神神社が加わり、大和七福八宝の会をつくっている。「大和七福八宝めぐり」は大和の七福神と大和信仰の原点である三輪山を参拝し、8つの福宝をいただくおめでた詣り。
参拝すれば七福がさらに倍増し、「八宝円満」のご利益があるとか。

春の牡丹は特に有名で、ぼたん園を目的に訪れる人も多数。

當麻寺・中之坊
中将姫剃髪堂(導き観音)
當麻寺・中之坊
名称 當麻寺・中之坊/たいまでら・なかのぼう
所在地 奈良県葛城市當麻1236
関連HP 當麻寺公式ホームページ
電車・バスで 近鉄南大阪線当麻寺駅から徒歩15分
ドライブで 西名阪自動車道柏原ICから約7.6km
駐車場 市営當麻町観光駐車場(20台/有料)
問い合わせ 當麻寺 TEL:0745-48-2001
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
當麻寺

當麻寺

西方極楽浄土(さいほうごくらくじょうど)の入口、死者の魂が赴く地とされた二上山(にじょうさん/奈良県葛城市)の山麓にある古刹、當麻寺(当麻寺/たいまでら)。中将姫(ちゅうじょうひめ)が織ったという西方極楽浄土の様子を表した當麻曼荼羅(当麻曼

當麻寺・本堂(曼陀羅堂)

當麻寺・本堂(曼陀羅堂)

奈良県葛城市にある行基の道場をルーツとする古刹で、中将姫ゆかりの『當麻曼陀羅』(たいままんだら)を本尊とする真言宗・浄土宗二宗の寺が、當麻寺。本堂の曼荼羅堂(まんだらどう)は、国宝。當麻寺のなかで最大の建物で、本尊の當麻曼陀羅が祀られていま

當麻寺・東塔

當麻寺・東塔

奈良県葛城市にある行基の道場をルーツとする古刹で、中将姫ゆかりの『當麻曼陀羅』(たいままんだら)を本尊とする真言宗・浄土宗二宗の寺が、當麻寺。古い時代の東塔(とうとう)と西塔(さいとう)が現存する唯一の遺構で、とくに東塔は奈良時代末(729

當麻寺・西塔

當麻寺・西塔

奈良県葛城市にある行基の道場をルーツとする古刹で、中将姫ゆかりの『當麻曼陀羅』(たいままんだら)を本尊とする真言宗・浄土宗二宗の寺が、當麻寺。古い時代の東塔(とうとう)と西塔(さいとう)が現存する唯一の遺構で、西塔は東塔より少し遅れた平安時

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ