亀形石造物・小判形石造物(酒船石遺跡)

平成4年に酒船石の北の斜面で石垣が発見され、その後の発掘調査で全長700mにも及び酒船丘陵を取り囲む石垣であることが判明。その酒船石遺跡で出土した謎の石が亀形石造物・小判形石造物です。

一帯が大嘗宮あるいは、斉明天皇の両槻宮という可能性も

亀形石造物は、井戸水が、まずは小判型の水槽にたまり、続いて亀の鼻から亀形石造物の甲羅の中にたまる仕組みになっていることから、古代の水を使った祭祀施設と推測されています。

発見された石垣は、『日本書紀』斉明紀二年是歳(656年)の条に記されている「田身嶺(たむのみね)に、冠らしむるに周れる垣を以てす。田身は山の名なり。此には大務(たむ)と云ふ。復、嶺の上の両(ふた)つの槻の樹の辺に、観(たかどの)を起つ。号けて両槻宮(ふたつきのみや)とす。亦天宮と曰ふ。」の記事の「冠らしむるに周れる垣を以てす」と符合。

白鳳南海地震(684年)によって斜面をずり落ちた形跡があること、さらに階段状になった石垣や亀形石造物・小判形石造物など、大規模な土木工事が行なわれていることから、一帯の丘陵が斉明天皇の両槻宮(ふたつきのみや)の跡あるいは大嘗祭のために仮設される祭場・大嘗宮(だいじょうきゅう)である可能性が増しています。

 

亀形石造物・小判形石造物(酒船石遺跡)
名称 亀形石造物・小判形石造物(酒船石遺跡)/かめがたせきぞうぶつ・こばんがたせきぞうぶつ(さかふねいしいせき)
所在地 奈良県高市郡明日香村岡
関連HP 明日香村公式ホームページ
明日香村観光ポータルサイト
電車・バスで 近鉄橿原神宮前駅東口、または飛鳥駅から奈良交通明日香周遊バスで、万葉文化館西口下車すぐ
ドライブで 南阪奈道路葛城ICから約14km
駐車場 なし
問い合わせ 明日香村地域振興公社 TEL:0744-54-4577
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

酒船石

明日香村の丘の上にある花崗岩の謎の石造物が酒船石。長さ5.5m、幅2.3m、厚さ1mほどの巨岩ですが、岩の上の平な面に皿状の凹みと凹みを結ぶ溝があるため、酒造に用いられた、あるいは薬作りの石とも推測されていますが、誰が、何の目的に造ったのか

 

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