富雄丸山古墳

富雄丸山古墳

奈良県奈良市丸山にある巨大な円墳が富雄丸山古墳(とみおまるやまこふん)。平成29年度の航空レーザ測量、平成30年度の発掘調査で、墳頂部に粘土槨 (埋葬施設) をもつ直径109mの造出し付円墳(日本最大の円墳)であることが判明しています。円筒埴輪、鰭付円筒埴輪、形象埴輪(家・盾・蓋)が出土しています。

航空レーザ測量で、日本最大の円墳と判明!

富雄丸山古墳

墳丘の平坦面の幅は1段目が7.2m、2段目は8.8mにも及び、大王墓に匹敵する広さと判明(壇は大王墓などの大型の前方後円墳で確認されていますが、円墳では異例)。
斧頭形石製品、刀子形石製品、琴柱形石製品、碧玉管玉などの出土品は国の重要文化財に指定。

3世紀頃に中国北東部・朝鮮半島北部で鋳造された斜縁神獣鏡の一部も出土し、ヤマト王権が有力な豪族とつながりを強めるために配った鏡だと推測されています。
三角縁画文帯五神四獣鏡、三角縁吾作銘四神四獣鏡、三角縁画像文帯盤龍鏡は、国の重要美術品に指定されています(天理大学附属天理参考館蔵)。

大阪と奈良を結ぶ交通の要衝に造られていることからも、4世紀後半のヤマト王権の王に準じる人の墓であることは間違いありません。

令和4年1月25日には、奈良県立橿原考古学研究所と奈良市市教育委員会が、国内初確認となる盾の形をした銅鏡と、国内最大の長さ2.37mの鉄剣が出土したことが発表。
鉄剣でこれまで最大だった中小田第2号古墳(広島市安佐北区)の1.15と比べても破格の大きさで、高度な技術で製造されているため、「古墳時代の金属工芸の最高傑作」(奈良県立橿原考古学研究所)としています。

富雄丸山古墳
三角縁画文帯五神四獣鏡(天理大学附属天理参考館蔵)
富雄丸山古墳
名称 富雄丸山古墳/とみおまるやまこふん
所在地 奈良県奈良市丸山1丁目
ドライブで 第二阪奈道路宝来ICから約3km
問い合わせ 奈良市教育委員会 TEL:0742-33-1821
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
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