奈良県奈良市佐紀町、国営平城宮跡歴史公園として復原整備が進む平城宮跡。令和4年3月に総事業費56億円を費やして復原されたのが、大極門(だいごくもん)。国家的儀式が行なわれた第一次大極殿の周囲を築地(ついじ)回廊で囲んだ第一次大極殿院(南北317.7m、東西176.6m)の南側に位置する南門(正門)です。
大極殿の正門は、入母屋造りの二重門
間口22m、奥行9m、高さ20mという巨大な門で、その形状は先に復原された朱雀門(すざくもん=平城宮の正面玄関/間口25m、奥行10m、高さ22m)に似ています。
発掘された藤原宮(平城京遷都前の都)の大極殿院南門とは規模が異なるため、移築ではなく遷都の際の新築であることは明らかで(朱雀門は同じ大きさで、しかも出土の軒瓦は、藤原宮式の瓦が9割ということから平城遷都にともなって藤原宮から移築と推測されています)、朱雀門では中央3間が連子窓(縦格子)なのに対し、大極門では中央1間が扉、それ以外は連子窓という形式で、時代の推移を表しています(飛鳥時代には、上層の中央を連子窓にする傾向がありますが、奈良時代には上層の中央を扉にする事例が登場)。
一見するとそっくりな朱雀門と大極門ですが、細部にまでこだわって復原されているのです。
西側に建つ「復原事業情報館」には大極門の扁額の実物大の模型も展示されています。
ちなみに門号(門の名称)に関する記述は文献史料になく、大極門という名前は、あくまでも推測。
日本や中国の宮跡などの事例研究から大極門と命名されたもの。
奈良に都があった時代、天皇の即位や元日朝賀など国家行事の際、貴族はこの門をくぐり、天皇のいる大極殿前に整列したのです。
平城宮跡・大極殿 | |
名称 | 平城宮跡・大極殿/へいじょうきゅうせき・だいごくもん |
所在地 | 奈良県奈良市佐紀町 |
関連HP | 国営平城宮跡歴史公園公式ホームページ |
電車・バスで | 近鉄奈良線・京都線大和西大寺駅から徒歩10分 |
ドライブで | 京奈和自動車道木津ICから約7.5km |
駐車場 | 県営奈良めぐり平城宮跡前自動車駐車場(130台/有料) |
問い合わせ | 平城宮跡管理センター TEL:0742-36-8780/FAX:0742-36-8781 |
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