鈴木牧之記念館

鈴木牧之記念館

雪国の生活を細かく記録した『北越雪譜』(ほくえつせっぷ)の著者、鈴木牧之(すずきぼくし)は、明和7年(1770年)、越後国魚沼郡塩沢(現在の南魚沼市塩沢)に生誕。その記念館が上越線塩沢駅に近い塩沢の中心街に建っています。

『北越雪譜』に著された雪国の伝統と文化を紹介

「雪の文化館」といわれるように、雪国特有の「船枻造り」(せがいづくり)を取り入れた新潟県産の杉を使った克雪型大規模木造建築となっています。

鈴木牧之の生家は代々越後縮(えちごちぢみ)の仲買と質屋を営んでおり、自身も仲買の仕事で江戸をはじめとする各地を旅して、人々の生活や地形などを細かに記録しています。
後に著した『北越雪譜』は、雪国越後に暮らす人々の民俗、習慣など伝え、江戸などの「暖国」と雪国の違いを様々な例を挙げて説明して当時の大ベストセラーになったとか。

館内では『北越雪譜』の初版本をはじめ、親交をもっていた浮世絵師で戯作者の山東京伝(さんとうきょうでん)や『南総里見八犬伝』で知られる滝沢馬琴(たきざわばきん=曲亭馬琴)への書簡、鈴木牧之の遺墨、遺品、雪国越後の民具、さらに鈴木牧之が当時の秋山郷の様子を客観的に記録し、民俗学的にも高い評価のある『秋山記行』に関する資料、ユネスコ無形文化遺産で国の重要無形文化財に指定の「越後上布」の製作工程などが展示されています。

『北越雪譜』は、天保8年(1837年)、山東京伝の弟の山東京山(さんとうきょうざん=京山人百樹の名で『北越雪譜』の校正を担当)が開板。
地方の無名の作者ながら初版が700部以上が売れたことは、江戸に地方文化が流入する先例となり、江戸時代後期の「旅行ブーム」を生む土台ともなったのです。

鈴木牧之記念館、トミオカホワイト美術館(南魚沼市上薬師堂)、十日町市博物館(十日町市西本町1丁目)の3館は「雪文化3館」とも呼ばれており、雪国・新潟県の文化・芸術を学ぶにはピッタリのミュージアムだといえます。

鈴木牧之記念館
名称鈴木牧之記念館/すずきぼくしきねんかん
Suzuki Bokushi Memorial Museum
所在地新潟県南魚沼市塩沢1112-2
関連HP鈴木牧之記念館ホームページ
電車・バスでJR塩沢駅から徒歩5分
ドライブで関越自動車道塩沢石打ICから約8.9km。または、六日町ICから約6.6km
駐車場50台/無料
問い合わせ鈴木牧之記念館 TEL:025-782-9860/FAX:025-782-9860
掲載の内容は取材時のものです、最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
三国街道塩沢宿牧之通り

三国街道塩沢宿牧之通り

新潟県南魚沼市塩沢にある全長350mの三国街道塩沢宿牧之通り。三国街道の塩沢宿は、魚沼の文化経済の中心地で、江戸後期、雪国越後に暮す人々の生活を伝え、大ベストセラーとなった『北越雪譜』(ほくえつせっぷ)の著者・鈴木牧之(すずきぼくし)の生誕

塩沢つむぎ記念館

塩沢つむぎ記念館

奈良時代に越後・塩沢地方(現在の新潟県南魚沼市一帯)で織られた麻布が正倉院に保存されているほど、塩沢の織物の歴史は古く、雪深い塩沢で、農閑期の家内仕事の代表が織物でした。塩沢つむぎ記念館は、ユネスコ無形文化遺産、国の重要無形文化財に指定され

トミオカホワイト美術館

トミオカホワイト美術館

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