日本一の大仏に会いに、鋸山・日本寺へ!

「露坐の大仏」といえば鎌倉大仏(高徳院)が有名ですが、像高は11.3m。対して、千葉県鋸南町(きょなんまち)の鋸山(のこぎりやま)山中に鎮座する日本寺・大仏は大岩壁を刻んだものですが、像高31.0m、日本一巨大な大仏です。百尺観音、地獄のぞきなどと合わせての霊山探検気分での探勝がおすすめです。

関東最古の霊山・鋸山に日本一巨大な「露坐の大仏」が!

東京湾フェリーからの鋸山を眺望
東京湾フェリーからの鋸山を眺望

鋸山の山中にある日本寺は、神亀2年(725年)、聖武天皇の勅により行基(ぎょうき)が開山したと伝えられる古刹。
行基伝承の地は関西に数多くありますが、東国に来たという裏付けはないので、あくまでも伝承の域を出ませんが、奈良の昔から霊山であり、山全体が信仰の対象であったことは明らかです。

鋸山という地名は海上から眺めるとノコギリのような形をしているから。
それをじっくりと確認するためにも、久里浜港(神奈川県横須賀市)から東京湾フェリーに乗船するのがおすすめです。

東京湾フェリーは東京湾を横断し、金谷港(千葉県富津市)まで40分ほどの船旅ですが、内部はホテルのロビーのようなコーナーもあって、くつろぐことができます。
甲板からは、東京湾を行き交う船(運が良ければ大型客船、潜水艦なども)、眼の前には立ちはだかる鋸山、振り返れば富士山という絵になる非日常的な構図を楽しむことができます。

フェリーが接岸する金谷港からは15分ほど歩いて、鋸山ロープウェー山麓駅へ。
金谷石の切り出しなどに使った「車力道」と呼ばれる登山道もありますが、ファミリーなどなら、往路は鋸山ロープウェー、帰路は徒歩というのがおすすめです。

ロープウェー山頂駅からは、金谷石の石切り場に彫られた百尺観音、石切り場跡の断崖上にあるオーバーハング状の地獄のぞきなどを経由し、日本寺・大仏を目指しましょう。

車の場合は、鋸山登山自動車道(有料道路)を使い、西口管理所まで入れば、同様に百尺観音、地獄のぞき経由のルートが可能です。

日本寺大仏は、天明3年(1783年)、大野甚五郎英令が築いた9丈2尺(37.7m)が初代。
雨風により侵食が進んだこともあって、大規模な修復が行なわれ(崩壊した場所もあって像高は原型より低くなりました)、昭和44年に現在の姿になっています。

鋸山ロープウェー、鋸山登山自動車道を利用しても百尺観音、地獄のぞきと「冒険コース」を進めば、所要は1時間ほどかかるので、ハイキング程度の装備と服装は必要です。

下山ルートとして、鋸山ロープウェー利用の場合は、JR保田駅まで歩いて内房線に乗車という手もあります。

百尺観音
石切り場に刻まれた百尺観音
地獄のぞき
スリル満点の地獄のぞき
日本一の大仏に会いに、鋸山・日本寺へ!
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東京湾フェリー 久里浜港ターミナル

神奈川県横須賀市の久里浜港から東京湾を横断して対岸の千葉県富津市・金谷港を結ぶフェリー。船内はホテルのラウンジのような雰囲気で、売店も営業するのでコーヒーなどを注文することもできます。また、フェリーターミナルにもレストラン、ショップが営業し

鋸山ロープウェー

東京湾上や三浦半島側から眺めると、その名の通り、のこぎりが横たわったように見えるアルペン的な山並みが、鋸山(のこぎりやま)。標高329.5mの凝灰岩の山で、山頂部には房州石を切り出した石切場の跡があります。この鋸山の山麓・浜金谷駅と鋸山山頂

鋸山登山自動車道

鋸山(日本寺)へのドライブルートは2本。ひとつが有料道路の「鋸山登山自動車道」(全長2.6km)。この有料道路を使って、途中の大仏口駐車場に車を入れれば大仏前参道で日本寺大仏に楽ちんアクセス。終点の山頂駐車場に車を入れれば、西口管理所前で、

日本寺・百尺観音

凝灰岩からなる鋸山(標高329.1m)の大半が、その霊域となっている日本寺。一歩山に踏み入れば、各所に石仏が点在し、いかにも霊山の趣となっています。その山頂の一角、金谷下山口(北口管理所)にあるのが、百尺観音。昭和41年に6年の歳月を費やし

鋸山・地獄のぞき

鋸山(のこぎりやま)のほとんどが、その寺域の日本寺。なかでも、鋸山山頂、石切場跡を眼下にする瑠璃光展望台(山頂展望台)の一角にある「地獄のぞき」は圧巻! 昭和58年頃まで、房州石(金谷石)を切り出したという採石場跡が、落差100mの断崖とな

日本寺・大仏

鋸山(標高329.1m)に広がる広大な日本寺。一歩山に踏み入れば、山内各所に石仏や道場が点在し、いかにも霊山の趣です。なかでもっとも巨大な石造物が、大仏(薬師瑠璃光如来)。台座からの高さ31.05mは、奈良大仏(東大寺盧舎那大仏)の18.1

 

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