冨士浅間神社(大町市)

冨士浅間神社(大町市)

長野県大町市美麻地区(旧美麻村大塩地区)にある富士信仰(浅間信仰)の古社が、冨士浅間神社(ふじせんげんじんじゃ)。富士信仰に基づいて木花咲耶姫命(このはなのさくやひめのみこと)を祀っています。江戸時代築の社殿が現存し、往時の里人の信仰を物語っています。

平安時代に創建と伝えられる富士山信仰の社

冨士浅間神社(大町市)

社伝によれば平安時代の貞観9年(867年)駿河国大宮浅間社(現在の富士宮・富士山本宮浅間大社)から分霊を勧請して創建と伝わっていますが、富士山は貞観6年(864年)に剗の海を分断し、富士五湖と生み出す大噴火を起こしており、その沈静化と関わりがあったのかもしれません。

現存する本殿は文化12年(1815年)の再建。
立川豊八(江戸時代、安曇野で活躍した宮大工の棟梁)などの宮大工が関わったことが棟札などから判明しています。

神楽殿は元禄11年(1698年)、千見村・真面九兵衛が棟梁として建てたことがわかっています。
直径4.2mの回り舞台を備えており、明治の中頃までは農村歌舞伎の奉納が行なわれていました。
延享2年(1745年)、高遠の石工・原利兵衛の銘がある灯籠一対も必見の価値があり、山里の社ですが、多彩な建築物が現存しています。
安永6年(1777年)奉納を最古とする江戸時代後期奉納の絵馬14枚も社宝のひとつ。

富士山信仰で富士講が組織されるのは江戸時代のことですが、戸隠にも中世に築かれた富士山信仰の塚があり、根強い富士山信仰があったことがわかります。

美麻地区には、千見神明宮に天保12年(1841年)再建の本殿が、水上神社にも文政8年(1825年)再建の本殿が現存し、いずれも大町市の文化財に指定されています。

冨士浅間神社(大町市)
名称 冨士浅間神社(大町市)/ふじせんげんじんじゃ(おおまちし)
所在地 長野県大町市美麻大塩2708
ドライブで 長野自動車道安曇野ICから約33km
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。

 

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