ド・ロ神父記念館

ド・ロ神父記念館

長崎県長崎市西出津町にあるフランス人宣教師マルコ・マリ・ド・ロ神父の偉業を紹介するミュージアムがド・ロ神父記念館。明治12年、長崎市外海(そとめ)地方に主任司祭として赴任した、ド・ロ神父。宣教師としてのみならず、私財を投じて地域の発展に尽くした人物として語り継がれています。

ド・ロ神父の業績を顕彰する記念館

建物は、明治18年にド・ロ神父自ら設計、施工したイワシ網工場を再生したもの。
木骨レンガ造り造り、平屋建てで上屋に洋小屋組(キングポストトラス/King post)の屋根を架けています。
平成15年に旧出津救助院(きゅうしつきゅうじょいん)の一部として、国の重要文化財に指定。

館内には、神父の遺品のほか、明治22年頃、ド・ロ神父が母国フランスから取り寄せ、出津教会で美しい音色を響かせていた、ハルモニュウム(フランス:デュモン社製)と呼ばれるミサ用の高級オルガン(高音部3列、低音部2列のリードを有するリードオルガン)が今も大切に保存されています。

ド・ロ神父記念館周辺には、長崎市外海歴史民俗資料館、出津教会堂、旧出津救助院があり、集落全体が世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産になっています。
また、「長崎市外海の石積集落景観」として国の重要文化的景観に選定。

キリスト教の教えを実践したド・ロ神父

ド・ロ神父

マルク・マリー・ド・ロ(Marc Marie de Rotz)神父は、パリ外国宣教会所属のフランス人宣教師(司祭)。

長崎開港後の慶応4年(1868年)に来日し、長崎で布教に従事したのち、明治4年に横浜に転属。
明治6年の禁教令廃止後、浦上の信徒らが浦上四番崩れによる流刑から釈放されたのを機会に長崎に戻り、赤痢が発生し、浦上地区に蔓延した際には、その予防法を説いて巡回するなど、フランスで学んだ医学・建築・産業などの幅広い分野の知識を活かし、「隣人を自分のように愛しなさい」というキリスト教の教えを実践。

明治11年、出津教会主任司祭になり、潜伏キリシタンが多く、禁教令以降も隠れキリシタンとして暮らす人の多かった外海地区(黒崎教会、出津教会)を担当。
明治12年に孤児院を開設、さらに明治16年には黒崎村女子救助院を開いて授産活動を行なっています(救助院ではド・ロ神父の指導で、織布、編物、素麺、マカロニ、パン、醤油を製造)。
明治19年、ド・ロ診療所を開設し、社会福祉事業をも実施。

大正3年11月6日、大浦天主堂司教館(旧長崎大司教館)建築現場で足場から転落、翌日の11月7日に死去。
自らがつくった野道の墓(現・出津共同墓地)に眠っています。

ド・ロ神父が手掛けた出津教会堂、旧出津救助院(登録は外海の出津集落として)、大野教会堂(登録は外海の大野集落として)は、ユネスコの世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産になっています。

ド・ロ神父記念館
名称 ド・ロ神父記念館/ど・ろしんぷきねんかん
所在地 長崎県長崎市西出津町2633
関連HP 長崎市公式ホームページ
電車・バスで JR長崎駅前から長崎バス出津方面行きで45分、出津文化村下車、徒歩10分
ドライブで 長崎自動車道長崎多良見ICから約34km
駐車場 外海歴史民俗資料館駐車場(20台/無料)、駐車場から徒歩5分
問い合わせ ド・ロ神父記念館 TEL:0959-25-1081
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
長崎市外海歴史民俗資料館

長崎市外海歴史民俗資料館

長崎県長崎市西出津町、世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産となる外海の出津集落(そとめのしつしゅうらく)にあるミュージアムが、長崎市外海歴史民俗資料館。外海(そとめ)地区の歴史や民俗、潜伏キリシタンの文化、ド・ロ神父

出津教会堂

出津教会堂

長崎県長崎市西出津町、世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産となる外海の出津集落(そとめのしつしゅうらく)にある出津教会堂(カトリック出津教会)。外海の出津・黒崎地区に赴任し生涯を外海に捧げたド・ロ神父が、明治15年に

旧出津救助院

旧出津救助院

長崎県長崎市西出津町、世界遺産「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の構成資産となる外海の出津集落(そとめのしつしゅうらく)にあるド・ロ神父が明治16年に設立した女性の自立支援の授産施設の跡が旧出津救助院。建物は国の重要文化財に指定され

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

Twitter でニッポン旅マガジンをフォローしよう!

ABOUTこの記事をかいた人。

アバター画像

日本全国を駆け巡るプレスマンユニオン編集部。I did it,and you can tooを合い言葉に、皆さんの代表として取材。ユーザー代表の気持ちと、記者目線での取材成果を、記事中にたっぷりと活かしています。取材先でプレスマンユニオン取材班を見かけたら、ぜひ声をかけてください!

よく読まれている記事

こちらもどうぞ