「男鹿なまはげライン」の愛称が付けられた秋田駅〜男鹿駅(おがえき/秋田県男鹿市)。秋田駅〜追分駅は奥羽本線、追分駅〜男鹿駅は男鹿線ですが、この路線に投入されているのが蓄電池電車「ACCUM」(アキュム)。JR東日本EV-E801系電車で、JR東日本では唯一の交流蓄電池電車です。
ジジナマハゲ(赤)、ババナマハゲ(青)で編成
男鹿半島の日本海側の海岸線を走る男鹿線は、男鹿半島・男鹿温泉郷への観光路線になっています。
蓄電池電車「ACCUM」(アキュム)は、奥羽本線の秋田駅を起点に、男鹿線終点の男鹿駅を結ぶので、秋田新幹線、新潟からの特急「いなほ」から乗り換えることができます。
蓄電池電車「ACCUM」は、男鹿方のEV-E801(電動車)と秋田方のEV-E800の2両編成。
有名な「なまはげ」(国の重要無形民俗文化財)をイメージして、EV-E801がジジナマハゲの赤色、EV-E801がババナマハゲの青色に塗装され、客室扉の戸袋部分には、なまはげの顔イラストも配されています。
通勤通学にも使われるため、車内はロングシートで、少し旅行感覚が削がれる感じです。
奥羽本線の秋田駅〜追分駅間は交流電化区間のため、この区間はパンタグラフを上げて走り、さらには蓄電池への充電を行ない、非電化区間の男鹿線に入るとパンタグラフを収納、蓄電池(日立化成製のCH75-6形リチウムイオン電池)からの電力を使用して蓄電池電車として走行します。
終点の男鹿駅には、地上充電設備を設置し、パンタグラフを上げて電力会社からの交流三相6600Vの電流を交流単相2万Vに昇圧して充電するシステムです。
現在、男鹿なまはげラインに6編成が投入され、この路線を走る列車は、すべてが蓄電池電車「ACCUM」(アキュム)となっています。
日本国内の蓄電池電車は、JR東日本の烏山線(からすやません/栃木県)を走るJR東日本EV-E301系「ACCUM」(アキュム/直流)とJR西日本の香椎線(かしいせん=海の中道線/福岡県)など福岡市近郊で運用されるJR九州BEC819系「DENCHA」(デンチャ/交流)の合計3タイプのみとなっています。
実は、「男鹿なまはげライン」の「ACCUM」(アキュム)は、JR九州BEC819系「DENCHA」(デンチャ)と同じ日立のA-trainで、基本設計は先行した「DENCHA」を踏襲し、内外装をカスタマイズ、寒冷化仕様を施してコストダウンを図っているのです。
まだまだ高価な車両で、蓄電池の消耗もあってランニングコストもかかりますが、エンジン以外のシステムが電車化は、保守管理の点からメリットも大きく、今後も非電化路線に従来にないタイプの車両(液体式気動車、ハイブリッド車両、電気式気動車)の導入が進んでいくと推測されています。
「男鹿なまはげライン」に蓄電池電車「ACCUM」(アキュム)が走る! | |
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