岡山県倉敷市、倉敷のなかでも昔ながらの雰囲気が色濃く漂う本町通り沿いにある町家が、井上家住宅。倉敷美観地区(倉敷市倉敷川畔重要伝統的建造物群保存地区)に現存する町家としては最古のものとされ、国の重要文化財にも指定。江戸時代には、年寄り役、百姓代として政(まつりごと)を主導した旧家のひとつです。
倉敷美観地区に現存する唯一の豪商・古禄派住宅
井上家は宮崎屋という屋号を持つ旧倉敷村(天領)の商家で、かつ村役人となる資格を有し、幕末に古禄(ころく)と称された13軒のひとつ。
18世紀に入ると倉敷には新禄と新興商人が力をつけ、古禄派、新禄派の対立を生み、次第に新禄派が古禄派を凌駕(りょうが)していきました。
実は、倉敷美観地区(倉敷市倉敷川畔重要伝統的建造物群保存地区)の家並みは、新禄派のものが多く、古禄派13軒で現存する建物・敷地割は、井上家住宅のみとなっています。
井上家は、新田開発にも従事し、享保年間(1716年〜1736年)には、酒屋・地主を兼ねた特権的な商人に成長しています。
現存する建物は、建材の仕上げ具合や文書から母屋の建物は6代当主・井上安兵衛が正徳年間(1711年~1716年)に建てたものと推定され、主屋、三階蔵、井戸蔵、土堀、家相図、敷地が国の重要文化財に指定されています。
南面2階にある7つの倉敷窓すべてに防火用の土扉が付いているのが大きな特徴。
令和4年に10年間にわたる保存修理工事を終え、天保年間(1830〜1844年)の姿に復元され、令和5年年3月から一般公開されています。
日本遺産「一輪の綿花から始まる倉敷物語~和と洋が織りなす繊維のまち~」の構成資産にもなっています。
井上家住宅 | |
名称 | 井上家住宅/いのうえけじゅうたく |
所在地 | 岡山県倉敷市本町1-36 |
関連HP | 井上家住宅公式ホームページ |
電車・バスで | JR倉敷駅から徒歩15分 |
ドライブで | 山陽自動車道倉敷ICから約4km |
駐車場 | なし/周辺の有料駐車場を利用 |
問い合わせ | 井上家住宅 TEL:086-422-0714 |
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