岡山県岡山市内を走る岡山電気軌道の路面電車、現在運転される最古の車両が昭和44年に運転開始の3000形「KURO」と「東武日光軌道線復元号」。実はこの車両、東武日光軌道線100形で、昭和43年2月、日光駅〜馬返駅を結んだ日光軌道線(馬返駅でケーブルカーに連絡)の廃止の際に岡山電気軌道が譲り受けたもの。
昭和28年に宇都宮車両で製造されたボギー車

「日光電車」の愛称で親しまれた東武日光軌道線は、国鉄の日光駅、東武日光駅と日光山内(輪王寺、日光二荒山神社、東照宮)、さらには東武日光鋼索鉄道線(ケーブルカー)の起点となる馬返を結ぶ路面電車。
馬返から明智平はケーブルで、明智平から東武バスが中禅寺湖、奥日光を結んでいました。
東武日光軌道線100形は、昭和28年に宇都宮車両で製造されたボギー車で、廃止になるまで10両(101〜110)が活躍、廃止時に全車両が岡山電気軌道に譲渡されました。
現存するのは2両(108→岡山電気軌道3007、110→岡山電気軌道3005)で、うち1両(岡山電気軌道3005)が日光軌道線時代の塗装に復元、壁には日光軌道線時代の「市内電車・ケーブル沿線案内図」を掲示するという凝りようで、鉄道ファンを泣かせています。
毎月第1土曜に東山線(東山~岡山駅前)を2往復運転。
岡山電気軌道3007は地元岡山市出身の工業デザイナー・水戸岡鋭治氏が漆黒の岡山城をイメージしてデザインした「KURO」。
東山線(東山~岡山駅前)を1日に3往復運転しています。
「冷房装置が付いていないため、夏は運行していない」(岡山電気軌道)とのことで、夏以外が乗るチャンスということになります。
窓を開ければいいという話もありますが、路面電車で、走行中の車との接触の危険があるため、窓を大きく開けることはできないとのこと。
ちなみに、東武日光駅前で保存展示される東武日光軌道線100形は、岡山電気軌道3010として活躍後、日光に里帰りしたもので、東武日光軌道線時代の109という状態で静態保存されています。
本来なら静態保存、あるいは博物館展示クラスの車両が活躍しているのですから、わざわざ乗りに来るファンがいるというのもうなづけます。
「KURO」、「東武日光軌道線復元号」のダイヤに関しては岡山電気軌道のHP(路線図・時刻表・運賃)に時刻表PDFが掲載されています。
岡山の路面電車で最古の電車は、意外にも日光で活躍した東武の車両 | |
関連HP | 岡山電気軌道公式ホームページ |
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