さいたま市が「大宮駅始発・終着の新幹線」を国に要望

埼玉県の県都・さいたま市にあるJR大宮駅は、2025年開業140周年を迎えます。長年、さいたま市が運動を続けているのが「大宮駅始発・終着の新幹線」の実現。「令和8年度国の施策・予算に対する要望」に「新幹線の大宮駅始発復活に向けた働きかけへの支援」を盛り込み、大きく踏み込んだかたちに。

JR東日本も大宮駅新幹線ホームの活用に前向き

新幹線ウォッチングにも絶好の大宮駅

さいたま市は2025年11月5日、「令和8年度国の施策・予算に対する要望」を国に提出。
内容は省庁別で、さまざまですが、国土交通省に対しては「『東日本の中枢都市』の実現のため、新幹線の大宮駅始発復活に向けた働きかけへの支援を図ること」を前提に、大宮始発・終着の新幹線の設定を要望しています。

「大宮駅は、北海道・東北・秋田・山形・上越・北陸新幹線の6路線が乗り入れており、平成29年度からは新幹線大宮駅始発の臨時便が運行され、令和2年度にかけて52便が運行されていた」とし、「新型コロナウイルス感染症拡大の影響もあり、令和3年度から令和6年度にかけて0便となったが、令和6年度の大宮駅新幹線乗客数は、拡大前の令和元年度の水準を超えており、今後も更なる増加が期待される」としています。

実際、東京駅〜大宮駅間の新幹線は、かつては最高速度110km/h、騒音対策が行なわれた後の2021年3月ダイヤ改正で最高速度130km/hとなっていますが、この区間は、ボトルネックにもなっていて、大宮駅始発ということには合理性もあります。
しかも新宿方面へは、大宮駅で埼京線の快速や湘南新宿ラインに乗り継ぐ、あるいは逆に大宮駅まで来て乗車する人も多いため(実際、大宮駅ではホームに長い行列のできる列車も数多くあります)、需要も大きいことが見込まれます。

さいたま市は、「災害時における首都圏のバックアップ拠点の強化も見込めると考えられること」もあって、その実現に国の支援を求めているのです。

当事者のJR東日本は、10月30日に発表の「2026年3月期第2四半期決算説明資料」の解説資料(10月31日公表)で、「モビリティの収益力向上」として輸送キャパシティの向上の一例として、上野駅や大宮駅の新幹線ホームを活用し輸送力を高めることを提示しています。

始発駅の東京駅でさえホームは2面4線、大宮駅の新幹線ホームは3面6線あり、中央の15番線・16番線は利用頻度も低いので、始発・終着列車の設定も十分に可能です。

過去には、大宮駅6:00発、新函館北斗9:41着の「はやぶさ101号」(臨時列車)が設定され、北海道での行動時間に余裕ができる飛行機キラーにもなっていました。

大宮駅始発・終着列車の実現は、JR東日本も前向きのようなので、実現の見込みはかなり明るそうです。

ちなみに、さいたま市は臨時列車だけでなく、定期列車を含めて大宮駅始発・終着列車の復活を目指すとしています。

15番ホームにはまだまだ余裕が
さいたま市が「大宮駅始発・終着の新幹線」を国に要望
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