龍潭

龍潭

沖縄県那覇市の首里城近くにある魚小堀(イユグムイ)とも呼ばれる池、龍潭(りゅうたん)。1427年、琉球を統一した尚巴志王(しょうはしおう)が造らせた池。重陽(ちょうよう)の日(旧暦9月9日)にはこの池で重陽之宴が設けられ、中国からの冊封使(さっぽうし)の前で小舟を競争させる爬龍船競走(ハーリー)が行なわれました。

中国から派遣された懐機が築いた中国風の庭園

龍潭

龍の頭の形に掘られたことがその名の由来の龍潭の周囲は416m、面積は8400平方メートル。
池の水は首里城瑞泉門前の龍樋(りゅうひ)からの水がハンタン山を流れて円鑑池(天女橋・弁財天堂があります)を満たし、さらに龍潭へと注いでいました。
作庭は、国王を補佐する国相(こくしょう)に任じられた懐機(かいき)。
懐機は、中国・明から派遣された官吏で、尚氏王朝の基盤作りに貢献しました(尚巴志王の代に国相、当時の人は、尊んで「国公」と称していました)。

1425年に来訪した冊封使が、首里城の北に庭園を造ることを勧めたといい、懐機が中国風の庭園を築いたもの。

龍潭には鯉などが泳ぎ、水面には首里城が美しく浮かぶ、湖水観賞船が行き交う琉球一の名勝だったとか。
現在は池の周りに遊歩道と東屋が設置されており散策に絶好。

龍潭と円鑑池は、琉球石灰岩を切石積みにした龍淵橋で隔てられています。
この龍淵橋が、首里城から浦添へと向かう西街道の橋となります。

冊封使をもてなした冊封七宴

冊封使(さくほうし)が琉球に到着し那覇港近くの天使館(現・沖縄県那覇市東町)に滞在する間に、琉球王府が催した7回の宴を冊封七宴と呼びます。
冊封使の一行は、 正使1 人、副使1人のほか、随行員を含め総勢500名という大所帯でした。
冊封使は、季節風を利用しての航行のため、5月頃から 11月頃までの長きに渡って琉球に滞在したのです。
世界遺産にも登録された組踊は、1719年の重陽宴 のときに初めて上演されたもの。

第一宴 論祭之宴(ゆさいのえん)/崇元寺(そうげんじ)/冊封使が顔を合わせ礼をして、茶と酒を献じ合うもの
第二宴 冊封之宴(さくほうのえん)/首里城北殿(ほくでん)/冊封使と新王が正式に初めて挨拶を交わし、茶を互いに献じるもの
第三宴 中秋之宴(ちゅうしゅうのえん)/首里城北殿前の特設舞台/旧暦8月中秋の日に琉球芸能を演じる
第四宴 重陽之宴(ちょうようのえん)/龍潭/小舟を競争させる爬龍船競走観賞後、北殿で舞踊や組踊を鑑賞
第五宴 餞別之宴(せんべつのえん)/首里城北殿/舞踊や組踊を鑑賞
第六宴 拝辞之宴(はいじのえん)/首里城北殿/舞踊や組踊を鑑賞後、中城御殿(なかぐすくウドゥン)で世子と酒を交わして別れの挨拶を行なう
第七宴 望舟之宴(ぼうしゅうのえん)/天使館/琉球国王が出向いて金扇を贈る別れの儀式

龍潭
名称 龍潭/りゅうたん
所在地 沖縄県那覇市首里真和志町
関連HP 那覇市公式ホームページ
電車・バスで ゆいレール首里駅から徒歩12分
ドライブで 沖縄自動車道那覇ICから約2.2kmで首里杜館駐車場
駐車場 首里杜館地下駐車場(50台~116台/有料)、季節により収容台数が異なる。原則として2時間以内の利用
問い合わせ 那覇市経済観光部観光課 TEL:098-862-3276/FAX:098−862-1580
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
天女橋・弁財天堂

天女橋・弁財天堂

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龍樋

龍樋

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