龍樋

龍樋

沖縄県那覇市、首里城の瑞泉門の門前にある琉球石灰岩の間から清冽な水が湧き出す樋口が龍樋。龍の口から湧水が湧き出す場所で、王宮の飲料水として使われていました。1719年に中国から琉球に来た冊封使(さっぽうし)の徐葆光(じょほこう)は、「中山第一」(琉球第一の泉)と讃えています。

首里城と冊封使滞在の天使館を支えた貴重な湧水

龍樋

石彫刻の龍頭は1523年、尚真王(しょうしんおう)の代理で明(中国)の皇帝即位の祝いに渡った慶賀史、沢岻親方盛里(たくしうぇーかたせいり=護佐丸の孫で尚真王代の三司官、墓所は繁多川4丁目に)が明で購入したもの。
首里城に設置されている彫刻では唯一、現存するものです(沖縄戦で一部が破壊されましたがその後、修復されています)。

龍樋に湧く水は、ハンタン山を流れて円鑑池(天女橋・弁財天堂があります)を満たし、さらに龍潭(りゅうたん)へと注いでいました。
冊封使(さくほうし)が訪れた際は、彼らの飲料水として、滞在先である那覇の天使館まで運ばれていました。
冊封使が滞在する時代、天使館(現・沖縄県那覇市東町)のあった那覇は島だったので、水は塩分が含まれるため、飲料には適さず、滞在中の数ヶ月、使節団500人分が使う水をこの龍樋の湧水を運んでいたのです。
このことに感謝して、龍樋のまわりには、1719年以来、歴代琉球国王7代にわたって、 7基の石碑(龍樋の碑)を建てて感謝の念を表しています。

ちなみに周辺の都市開発の影響もあって、水量は今は少なくなっていますが、沖縄戦以前には、勢いよく龍の口から飛び出すように流れ出していたんだとか。

龍樋
名称 龍樋/りゅうひ
所在地 沖縄県那覇市首里真和志町
関連HP 那覇市公式ホームページ
電車・バスで ゆいレール首里駅から徒歩12分
ドライブで 沖縄自動車道那覇ICから約2.2kmで首里杜館駐車場
駐車場 首里杜館地下駐車場(50台~116台/有料)、季節により収容台数が異なる。原則として2時間以内の利用
問い合わせ 那覇市経済観光部観光課 TEL:098-862-3276/FAX:098−862-1580
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
首里城・瑞泉門

首里城・瑞泉門

首里城の登城ルートで、歓会門の先にある2番目の門が瑞泉門(ずいせんもん)で、石造のアーチを設けない楼門形式の門。その名の通り「めでたい泉」といわれる湧水「龍樋」(りゅうひ)が門前にあるため瑞泉門の名がついたもの。俗に「樋川御門」(ふぃじゃー

龍潭

龍潭

沖縄県那覇市の首里城近くにある魚小堀(イユグムイ)とも呼ばれる池、龍潭(りゅうたん)。1427年、琉球を統一した尚巴志王(しょうはしおう)が造らせた池。重陽(ちょうよう)の日(旧暦9月9日)にはこの池で重陽之宴が設けられ、中国からの冊封使(

 

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