日本民家集落博物館

日本民家集落博物館

大阪府豊中市の服部緑地の一角、江戸時代築の日本の民家を集めた野外博物館が、日本民家集落博物館。周辺は緑にあふれた閑静なところで、まるで初めからそこにあったかのように溶け込んでいるのが特徴。岐阜県・白川郷の合掌造り、岩手県の南部曲家(なんぶまがりや)など、日本を代表する11棟を移築保存しています。

高度成長期に失われつつあった貴重な古民家を移築保存

日本民家集落博物館
飛騨・白川郷の合掌造り民家(旧大井家住宅=国の重要文化財)

飛騨・白川郷の合掌造り民家(旧大井家住宅=国の重要文化財)、摂津能勢の民家(旧泉家住宅=国の重要文化財)、岩手県の南部曲家(なんぶまがりや・旧藤原家住宅)、小豆島の農村歌舞伎舞台、北河内・旧原田家の茶室、越前敦賀の民家(旧山下家住宅)、大和十津川の民家(旧丸田家住宅)、信濃・秋山郷の民家(旧山田家住宅=国の重要文化財)、日向・椎葉村の民家(旧椎葉家住宅=国の重要文化財)、河内布施の長屋門(旧塩川家長屋門)、大阪堂島の米蔵、奄美大島の高倉(旧重光高倉)まで日本を代表する11棟の民家などが広大な敷地に移築復元され、集落を構成しています。

国の重要文化財に指定される「旧大井家住宅」は、岐阜県大野郡白川村から昭和31年に移築されたもの。
茅葺き(かやぶき)の合掌造りで、母屋は平入りの3階建て。
江戸時代後期の建築と推測され、1階が家族の生活の場で、2階・3階は通気が良く養蚕という生活様式を今に伝えています。

国の重要文化財に指定される「摂津能勢の民家」は、大阪府豊能郡(とよのぐん)能勢町に建っていた泉家住宅(旧泉京之助氏の住宅)を昭和35年に移築したもので江戸時代中期頃の建物と推測されています。
摂津国(大阪府北中部・兵庫県南東部)と丹波国(京都府中部・兵庫県東部)の国境に位置する地域に見られるスタイルから「摂丹型」と称され、縱割型農家の最も古い例として国の重要文化財に指定されています。

昭和39年に移築された南部曲家の旧藤原家住宅は、大阪府の有形文化財。
馬の産地だった南部藩では、こうした大きな厩(うまや=馬を飼育する場)と母屋(おもや)をカギ型に接続させた曲家が数多く建てられました。

全国各地の貴重な民家を集めた施設は、東日本では川崎市立日本民家園、西日本では日本民家集落博物館ということになります。
日本民家園は、昭和42年開園、日本民家集落博物館が昭和31年の開園で(開園当時は「豊中市立民俗館」)、日本民家集落博物館が日本初ということに。
いずれも高度成長期に失われゆく古民家を移築保存したもので、先見の明があったことがよくわかります。

日本民家集落博物館
名称日本民家集落博物館/にほんみんかしゅうらくはくぶつかん
所在地大阪府豊中市服部緑地1-2
関連HP日本民家集落博物館公式ホームページ
電車・バスで北大阪急行緑地公園駅から徒歩15分、阪急宝塚線曽根駅から徒歩30分
ドライブで名神高速道路豊中ICから約6km
駐車場第1駐車場(278台/有料)、第2駐車場(150台/有料)、第3駐車場(451台/有料)、第4駐車場(80台/有料)
問い合わせ日本民家集落博物館 TEL:06-6862-3137/FAX:06-6862-3147
掲載の内容は取材時のものです。最新の情報をご確認の上、おでかけ下さい。
大阪府営服部緑地

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千里丘陵の西側、豊中市と吹田市にまたがる126ha(甲子園球場の約33倍)という大阪府最大級の広大な緑地が、大阪府営服部緑地。「日本の歴史公園100選」、「日本の都市公園100選」にも選定されています。円形花壇、こどもの楽園、都市緑化植物園

川崎市立日本民家園

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